賃貸不動産オーナー向け経営情報誌「月刊 家主と地主」が新聞の1面下に出した広告にインパクトがあると、ツイッター上で話題になっている。
「何が起きるかわからない 衝撃の 入居者トラブル」。日本経済新聞の2018年4月15日付日曜版朝刊のトップ記事から下を見ると、こんな5月号の広告タイトルが目に飛び込んでくる。
「空室のはずなのに愛知県警から自殺発生の連絡」
続いて、その下に記事の内容を示す小見出しが次のように並ぶ。
「入居者が大阪女児誘拐の容疑者でマンション騒然」
「空室のはずなのに愛知県警から自殺発生の連絡」
「集合ポストに排泄物をばらまく異常行動の入居者」
情報誌を出す全国賃貸住宅新聞社のこの広告は、朝日新聞の16日付朝刊1面にも載っている。ツイッター上で、同日に写真付きで紹介されると、大きな反響を呼んだ。「きょうみぶかすぎる!!!」「めっちゃ気になるわw」「かなり闇が深そう」などと書き込まれ、その内容に注目が集まっている。
そこで、J-CASTニュース編集部では、全国賃貸住宅新聞社に問い合わせ、在庫があるという東京都中央区内の丸善日本橋店で4月13日発売の5月号を購入した。
5月号は、「明日は我が身 賃貸経営に激震」というタイトルで10ページにわたって特集が組まれており、その中に注目の記事があった。
大阪女児誘拐の記事では、大阪府内のマンションに住む夫婦が、女児を見つける費用などとして親から約7000万円をだまし取ったとして、2008年に警察官8人が部屋に踏み込んだときの様子を紹介した。新聞やテレビが取材に来る騒ぎになって、このマンションのオーナーは困惑した。
キャッチコピーも編集長自身が考える
しかし、このオーナーは、機転を利かせて内廊下だけをマスコミに撮影させ、物件の価値が下がるのを防いだという。
空室なのに自殺の記事では、2010年に入居者が練炭自殺したとき、愛知県警がほかの部屋も調べるなどした結果、家賃が6割もダウンしたとして、急な転居のときは目的を聞くべきというオーナーの自戒を紹介した。また、ポストに排泄物の記事は、大阪市内のアパートで70代の女性入居者が集合ポストに排泄物を入れていたが、オーナーが監視カメラを設置するなどして突き止めたという顛末を書いている。
ツイッター上では、「弟が狙う3億円の駐車場を守った兄の秘策」といった小見出しのある2月号の新聞広告なども、興味をそそられるといった声が出ていた。
「月刊 家主と地主」を読むと、家主らに役立ちそうな実務的な話もあるが、なぜ週刊誌ばりのテーマをやっているのか。永井ゆかり編集長は4月19日、J-CASTニュースの取材に対し、こう話した。
「やはり売りたいと思っていますので、家主や地主の方が興味を持つテーマを企画しています。『こんなことが起きるんだ』と、より興味を持ってもらえるようなキャッチコピーも私自身が考えています。インパクトのある見出しには反響があり、定期購読の申し込みが増えていますね」
月刊誌は、約1万部の発行部数。書店のほか、アマゾン、定期購読で手に入る。