『日報隠蔽』の著者に聞く(上) 「PKO日報」、だれが隠したのか?官僚にとって「国民は敵」なのか

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議論の根拠になる

――さて、「隠ぺい」「改ざん」ですが、なぜ同じようなことが繰り返されるのか。官僚はなぜ、公文書を国民の目の届かないところに置こうとするのか。まず、最初に公文書を入手する必要性についてお話ししていただけますか。

布施 PKOに関して言えば、僕らが日本にいて、現地で起きているのは「戦闘」だと言っても、政府に「衝突だ」と言われてしまえばおしまいなんです(笑)。でも実際に現地で活動している自衛隊自身が、その記録に「戦闘」と書いていたとするなら、これは説得力がある。そういう意味で、政府自身の文書を入手して、それを根拠に議論していくのは、非常に重要だなと思いますね。
 去年の2月の上旬、南スーダンの日報が出てきて、国会で議論が始まる。野党は、日報に「戦闘」って書いてあるじゃないかと。単に言葉だけじゃなく、実際に戦車が出てきて、ヘリも出てきて、負傷者も出てみたいな、かなり激しい戦闘が起きているじゃないか。これはPKO5原則維持されていないんじゃないか。そういう議論ができるわけですよね。それに対して、稲田大臣、政府側は、とにかく答えなきゃいけない。
 当時ちょうど三浦さんが現地にいて、実際に取材して、自衛隊の宿営地の隣で2日間、激しい戦争があった、政府軍が市民をこういうふうにレイプをしている、虐殺しているという証言を新聞で書いてたんですね。あれは日報に書かれている事実を、まさに現地にいる日本人の記者が裏付けていた。それがあの時期、自然に連携する形で同時に進んでいったというのは、非常にタイミングも良かった。
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