集英社に対して「公開質問状」
そうした集英社の主張に対して山本氏は20日にツイッターで、
「さすがにこの程度の対処で憲法の違法阻却事由の緊急避難を申し立てるのはむつかしくないですか。踏み込んでおいたほうがいいんですかねえ」
と投稿し、その後、Yahoo!個人で集英社に対して「公開質問状」を発表し、回答を求めた。
質問状では、
「集英社のいう『厳正な対応』は著作権者の被害届提出や刑事告訴は含まれるのか」
という、被害届提出の有無といった「厳正な対応」の内容を改めて問うたのに加え、集英社を含む出版社側の自民党議員に対する「ロビイング」の実否などを尋ねている。特にロビイングについては、「適法な渉外活動」であるとしつつ、これにより「常識的に見て緊急避難とは到底言えない海賊版サイトのブロッキングという憲法違反の政府要請」を引き出したのではないか、としている。
山本氏は、結びの文章で、様々な要因によって日本のクリエイターが不利益を被っていることと海賊版対策の重要性に触れ、
「きちんと調査し、相手を特定して、捜査当局に情報を提供し、法的措置を行うことこそが、海賊版対策で求められている業界団体や大手事業者の動きであると考えます。政治家に働きかけて憲法問題を中央突破して通信事業者に法的リスクを負わせながら、実際にはVPNやタコ足サイトの乱立で海賊版対策はザルになるようでは誰も幸せになりません」
と意図を説明し、ネット時代のコンテンツ産業のあり方を再考するよう求めている。