南北、米朝の首脳会談を控える中でも、北朝鮮は対日批判を緩める考えはないようだ。安倍晋三首相は米フロリダ州パームビーチで2018年4月18日午後(現地時間、日本時間19日)に開いた米トランプ大統領との共同会見で、拉致・核・ミサイルの問題を解決することを前提、「国交正常化への道も開けてくる」とまで述べた。
一方の北朝鮮は翌4月20日の朝鮮労働党機関紙、労働新聞に「危機に陥った者たちの窮余の策」と題した解説記事を掲載。安倍政権は「深刻な政治的危機に陥っている」ため、自らを「主人である米国に対してよく見せようとしている」と主張。そこでやり玉にあがったのが、沖縄県の高校生らの米国派遣プログラムだ。
安倍首相は対話路線にも意欲
安倍氏は共同記者会見で、
「日米で緊密に連携しながら、全ての拉致被害者の即時帰国に向け、北朝鮮への働きかけを強化していく決意」
なとどとして、日本が取り残されているという指摘について「全く当たらないと思う」と反論した。
「北朝鮮が正しい道を歩むのであれば、日朝平壌宣言に基づいて不幸な過去を清算し、国交正常化への道も開けてくる」
とも話し、対話路線にも意欲を示した。
ただ、現時点では北朝鮮側の反応は冷淡だ。4月20日付の労働新聞の記事では、外務省が沖縄県の高校生や大学生20人を、3月に約1週間にわたって派遣したプログラムについて、
「何のために、日本外務省は沖縄県生まれだけを選んで米国に残して送ったのか」
と問題視。沖縄には米軍基地が集中しており、米軍機による事故が相次いでいることを指摘しながら、
「まさに日本の当局者は、自国民の安全や民心の意向は眼中になく、対米追従に突き進んでいる」
と主張した。