被害女性、名乗り出るのは「そんなに苦痛?」 矢野官房長、セクハラ問題に反論

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「それ以上に我々は調査のしようがない」

   柚木氏がたまらず「委員長」と、質問のために声をあげたが、矢野氏は手で遮り、続けた。

「だけど、それ以上に我々は調査のしようがないと思っていますよ」

   柚木氏は声を荒らげた。

「被害者が加害者側に話しにくいのは当たり前で、私は民間企業のセクハラ対応をしている弁護士にも聞きましたけど、民間企業は被害者が名乗り出なくても(セクハラ)認定してますよ、ちゃんと。何言ってるんですか財務省は! 事務次官もセクハラとかハラスメントの防止の研修を受けているというじゃないですか。これ悪い冗談にもなりませんよ」

   そのうえで改めて、「名乗り出なければセクハラもみ消すということ。報道への圧力になっているということの認識はないのか」と質問すると、麻生太郎財務相が、

「週刊誌記事の女性記者がおられるわけでしょう。調査への協力をお願いさせていただかないと、この種の話は前に進まないのではないですか。常識的には、加害者と被害者がいて、被害者の話が出て来ない。『強制的に名乗り出ろ』というふうにおっしゃったけど、私どもは『匿名で構いません』ということで、内容や前後状況等々をお知らせいただきたいとお願いしている」

と答弁。匿名でいいから連絡を、と矢野氏と同様の姿勢を示した。

   柚木氏は「匿名だろうが何だろうが、財務省のお抱え弁護士、顧問弁護士に名乗り出られるわけがない。セクハラの相手は一生苦しんでいる。家族にも言えない。その中で、加害者側の顧問弁護士に言えるわけがないじゃないですか」と猛反論している。

   この財務金融委を終えた18日夕、麻生氏は、福田氏が事務次官の辞任の意向を表明したと発表。なお、次官代行の職に就くのは上記の矢野氏だ。

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