J1・セレッソ大阪が、アジア最強クラブを決めるアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)広州恒大戦に、直前のJリーグの試合から先発を10人入れ替えて臨んだことが賛否を呼んでいる。
C大阪は広州恒大に敗れ、他の試合の結果から敗退が決定した。メンバー大幅入れ替えが「ACLの軽視」と映った海外のジャーナリストから「追放されるべき」と非難が飛んだ。一方で、過密日程などを考慮して理解を示す声もある。
「大会規約に反しているのになぜ許容されるのか」
C大阪は2018年4月17日、ACLグループステージG組第6節、広州恒大(中国)とのアウェー戦に1-3で敗戦。ACLは4チームのリーグ戦(ホーム&アウェーの総当たりで6試合ずつ)を行い、勝ち点上位2チームが次のステージに進める方式をとる。G組はもう1試合の結果次第では進出の可能性があったが、ブリーラム・ユナイテッド(タイ)が済州ユナイテッド(韓国)を破ったことで、広州とブリーラムの進出が決定。C大阪は敗退することとなった。
広州戦のC大阪はメンバーを大幅に入れ替えて臨んだ。直前の試合、14日のJ1第8節・FC東京戦から、不動の守護神GKキム・ジョンヒョンをはじめ、先発10人を変更した。FW柿谷曜一朗やFW高木俊幸ら、主力の多くはベンチにも入らなかった。結果的に、今季Jから4クラブしか出場していないアジア最高峰の大会から早々と姿を消すことになった。
そもそもなぜメンバーを大幅に変えたか。スポーツニッポンの18日付の報道によれば、ユン・ジョンファン監督は「ACLよりJリーグを優先しているのか?」と聞かれ、「今年、ACLよりJリーグに重点を置いているのは事実です」と明言した。主力を休ませたというわけだ。
メンバーを落としたC大阪に、オーストラリアのサッカージャーナリスト、スコット・マッキンタイヤー氏から厳しい批判が飛んだ。ツイッターで17日、「セレッソ大阪はACLを完全に嘲笑している。突破を確実にするためには勝たなければならない試合にもかかわらず、全くのリザーブチームで試合を始めた。大会規約に反しているのになぜ許容されるのか、何度も尋ねた。だが、何の応答もなかった。彼らは追放されるべきだ」(英文を編集部で和訳。以下同)と投稿したのだ。
「選手起用はクラブの自由だろう」という意見には、「いや、それは違う。これはACLの規約だ」と反論し、主催のアジアサッカー連盟(AFC)の大会規約を提示した。そこには、「大会を通して最強のチームで試合をすること」という項目がある。
マッキンタイヤー氏は「他のJリーグクラブへの影響」も指摘した。「大会結果は、その国の将来のACL出場枠に大きく関わる」として、「私がACL出場を念願としているJリーグクラブの人間であれば、今の出場クラブがしていることに激怒するだろう」と不満を募らせた。なおオーストラリアはAFCの加盟国だ。