「国際信州学院大学」をご存じだろうか。長野県安曇野市に校舎を置き、創立から100年以上の歴史を持つとうたう――架空の私立大学だ。
このネタ大学が「開校」したのは2018年1月のこと。ネット掲示板「5ちゃんねる」ユーザー達が、偽の公式サイトや教員のSNS、校歌などを続々と制作し始めたのだ。今では、実在している大学だと信じ込む人まで出る騒ぎとなっている。
誕生のきっかけは「ニュー速VIP」
国際信州学院大学の公式サイトには、入試案内や学部紹介、就職実績などの偽情報がずらりと並ぶ。さらには、架空の住所や電話番号までも掲載されており、うっかり実在の大学と誤解しそうになる程の仕上がりだ。
しかし、サイトをよく見ていくと、歴代学長の名前が「ヴィップク・オリティ」だったり、大学の歴史欄に「2010年 学長 レーシック手術」とあったり、研究提携先の企業が全て架空のものだったり――などおかしな記載も多い。
ちなみに、サイトに掲載されている画像の多くは、他大学などから転載したもの。例えば、同大キャンパス内にある生協だとして掲載されていたのは、北海道大学生協の写真だった。
いったい、この架空大学はどういった経緯で生まれたのか。
きっかけは、5ちゃんねるの「ニュー速VIP」板に1月下旬に立った、「受験シーズンだし(中略)架空の大学を作って受験生釣ろうぜ」といったタイトルのスレッドだ。ここに集まったユーザー達が協力し、大学名や学校の歴史を決定。その上で、偽の公式サイトや教員のSNSなどを作り始めたのだ。
実際、4月17日現在、ツイッターで「国際信州大学」と調べると、教員や学生などを騙った架空のアカウントが20件以上ヒットする。さらには、同大の偏差値を尋ねるQ&Aサイトの投稿まで存在している。