「この結果を踏まえて瀬古利彦さんや陸連は何を思うのか」
一般的にマラソン選手は年間2試合ほど出場するところ、川内は2017年だけでも12試合に参戦。ケガなどのリスクを承知で、過酷な状況下でのレースをいくつも乗り越えてきた。
記憶に新しいのは、18年1月に行われた同じ米ボストンのマーシュフィールド・ニューイヤー・マラソン。氷点下17度、コースには雪が積もるというコンディションのレースは、参加者わずか3人。その中で、頭まで覆った防寒ウェアの川内だけが42.195キロを完走した。記録も2時間18分59秒のサブ20(2時間20分未満)だった。
ボストン・マラソンは17年に大迫傑が3位に入ったが、優勝は1987年の瀬古利彦氏(現・日本陸上連盟マラソン強化戦略プロジェクトリーダー)以来31年ぶりの快挙。箱根駅伝出場歴のある俳優・和田正人さんは17日未明、その瀬古氏に絡め
「いや、マジで、この結果は驚きを隠せ得ない。川内優輝を信じていないとかではなくて、ここで、このタイミングで結果を作るこの人の勝負運。この結果を踏まえて瀬古利彦さんや陸連は何を思うのか。興味津々」
とツイッターに投稿した。
17日昼の日刊スポーツ(ウェブ版)によれば、瀬古氏は「東京五輪は出ませんと言っていますが、ぜひMGC(マラソン・グランド・チャンピオンシップ=東京五輪の代表選考会)には出て欲しい」とコメントしたという。川内は上記17年8月の世界陸上を最後に、日本代表引退の意向を表明している。