福田淳一・財務事務次官のセクハラ疑惑報道で、被害者と報じられた女性記者に財務省が「直接連絡いただきたい」と呼びかけたことに対し、元財務官僚の弁護士・山口真由氏が「こんなの見たことないし異常」と強く批判した。
山口氏は2018年4月17日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)に出演。元「身内」ながら、今回の財務省の対応に「どうしても解せない」と疑問点をあげた。
「財務省としては相当感覚がズレている」
週刊新潮4月19日号(12日発売)がスクープしたところでは、福田次官が財務省担当の30代女性記者を自宅近くのバーに呼び出し、「抱きしめていい?」「胸触っていい?」などとセクハラ発言を連発。「ダメですよ」と拒否する女性記者にも構わず繰り返した。新潮のウェブサイトにはやり取りを記録した音声データが公開されている。
すると財務省は、矢野康治官房長が福田次官を聴取したとして、16日にその内容を公表。福田次官は「女性記者との間でこのようなやりとりをしたことはない」と完全に否定したという。
それだけでなく、「ただし、一方の当事者である福田事務次官からの聴取だけでは、事実関係の解明は困難」だとして、心当たりの女性記者に対し調査への協力を要請。「対応は下記弁護士事務所に委託しており、調査に協力いただける場合は、下記事務所に直接連絡いただきたい」という手段に出た。
元財務省官僚の弁護士・山口真由氏は「モーニングショー」で、財務省が女性記者に連絡を要請したことに対して
「本当に異常だと思う。財務省としては相当感覚がズレていて、自分たちは公正を期していると思っているのか、そうでなければ相当強い弾を隠し持っているのか、この2つしか考えられない。財務省発表の3点目(直接連絡してほしい旨)を見て、こんなの見たことないし異常だと思った」
と強く批判した。また「事務次官はほとんど予定がつまっている。財務省トップは官僚トップでもある。女性記者なら何としてもそこで何か取りたい、という記者魂は理解できる」と、女性記者に理解を示した。