世界最高峰のオートバイレース「MotoGP」。今季は18年3月のカタールGPを皮切りに、世界15か国で全19戦が開催される。
そんな中、フランスのヨハン・ザルコ選手(27)の「ヘルメット」が一部で注目を集めている。「旭日旗」のデザインが描かれていたためだ。
炎上リスクが高いが...
ザルコ選手は、2度の「Moto2クラス(600㏄)」優勝を引っ提げ、17年に「MotoGPクラス」(1000㏄)デビュー。1年目でランキング6位と健闘し、「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」のタイトルも獲得した。
18シーズンにも出場し、第一戦(カタール)は8位、第二戦(アルゼンチン)は3位。今季も快調ぶりを見せているが、両試合で「旭日旗」がデザインされたヘルメットを着用して試合に臨んだ。
旭日旗をめぐっては、旧日本軍で軍旗などとして用いられたこともあり、主に韓国などから批判を集めることが少なくない。
スポーツ界でも米大リーグ・ドジャースの前田健太投手(30)が17年7月、SNSへ投稿した画像に「旭日旗」が写っていたため、韓国のネットユーザーから批判が相次ぐ騒ぎに。
平昌冬季オリンピック期間中には、フリースタイルスキー・モーグル男子の西伸幸選手(32)が、旭日旗を連想させるデザインのニット帽を被っていたとし、謝罪に追い込まれた。
日本人ライダーをリスペクト
今回の出来事も俎上にのぼった。
韓国のニュースサイト「Insight」は18年4月15日、「レースに対する韓国人からの批判」と題した記事を配信。MotoGPの商標権を所持する会社に抗議文を送ったネットユーザーを紹介している。
ザルコ選手は数年前から同様のヘルメットを着用しているとみられるが、どんな意図があるのか。住友ゴム工業のブランドサイトに15年7月に掲載されたインタビュー記事で、ザルコ選手は、
「僕のコーチは1992年にGPのメカニックをしていたんだ。で、彼から日本人ライダーのことを聞いた。あの頃、坂田、上田、若井がGPにやってきて、彼らはすごく強かった。マネージャーから彼らのストーリーをいろいろ聞いていたんだ。それで、彼ら日本人ライダーへ尊敬を表して、ライジングサン(編注:旭日旗)のデザインをヘルメットにつけた」
と説明。続けて
「ライジングサンのデザインは、戦争の悪いイメージがあるという人もいるけど、それとは意味が違うんだ」
と理解を求めた。