実は「赤字」の中国人材事情
中国の外国人出入国と滞在に関する行政手続きは非常に複雑で、ビザ、滞在、就職、入籍はそれぞれ異なる政府機関が管理している。また中国の「グリーンカード(外国人永住証)」は現在、世界で最も取得が難しく、敷居が高い上に、厳格に管理され、2004年に「グリーンカード」制度が施行されて10年余になるが、中国のグリーンカードを取得した人はわずか1万人程度に過ぎない。こうしたことが外国人材招聘の巨大な障害となっていた。
実は、中国の人材、特にハイレベルの人材は、毎年、流失している。中国・グローバル化シンクタンク(CCG)の王輝耀部長の指摘よると、改革開放以来、1000万人を上回る中国人が移民として出国しており、毎年米国への移民は8万人に上る。一方で、中国にやって来た外国人、長期滞在者はこれまでに百万人に満たず、しかもその大半は単純労働者である。そのため、人材取引の「赤字」はとても大きい。
李克強首相は2018年3月5日、国会に当たる全国人民代表大会(全人代)での政府活動報告で、過去5年間、中国が人材導入を強化したことによって、中国にやって来た外国の専門家は40%増加したと述べた。さらに、将来的には外国人材のグリーンカードのチャネルを緩和し、人智、人材を集め、中国イノベーションの「速度」を上げなければならないと、提起した。