米大リーグ、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手が衝撃的な大活躍を続けているが、野球評論家の張本勲氏は賛辞の「あっぱれ」でなく、まさかの「喝」を入れた。それも2回だ。
「アメリカの野球はレベルが落ちたねえ」。2018年4月15日放送「サンデーモーニング」(TBS系)の名物スポーツコーナー「週刊!御意見番」は、張本氏の溜め息で始まった。
「始まったばっかりだから。10ゲームだから」
大谷選手はここまで打者として打率.367、本塁打3本、11打点と絶好調だ。14日のカンザスシティー・ロイヤルズ戦は打順を1つ上げて7番・指名打者(DH)となり4打数2安打。投手としても9日のオークランド・アスレチックス戦で今季2度目の先発登板をすると、7回1安打無失点12奪三振、6回まで完全試合ペースの投球で2勝目(無敗)、防御率2.08とこれ以上ない滑り出しだ。
だが張本氏は「サンデーモーニング」で、
「アメリカの野球はレベルが落ちたねえ...だいぶ落ちましたね。まあ大谷、一生懸命頑張ってるけどね。しばらく頑張るでしょうね」
とそっけないコメント。
この日ゲスト出演した元プロ野球選手の広澤克実氏は、大谷選手の活躍に「もちろん『あっぱれ』です」と褒め称えたが、張本氏は
「まだまだこれからですから。始まったばっかりだから。10ゲームだからね」
と眉間にしわを寄せていた。
そればかりか、苦言を呈す一幕もあった。12日のテキサス・レンジャーズ戦に打者として出場した大谷選手は1塁走者となるも、牽制球にタッチアウトの判定を取られた。ビデオ検証で一度はセーフへと覆ったが、その直後にまったく同じようにもう一度牽制球を送られ、今度は文句なしのタッチアウト。苦笑いしながらベンチへ引き上げた。
すると張本氏は、VTR明けに開口一番「喝だ!」と声を荒らげ、
「これだけ活躍してるんだからね、白けちゃうよ。野球は打つ・投げる・走る、だけじゃないからね。慣れないこともあるんでしょ。しょっちゅうランナーに出ているわけじゃないから。でもああいうミスしちゃダメ」
とまくし立てた。
「ちゃんと認めてあげたら」「ちょっとひねくれたおっちゃん」
さらに、大谷選手が牽制に対して右手を伸ばしてヘッドスライディングで帰塁したのを見て、張本氏は「もう一つ喝!」。こうダメ出しした。
「右手で帰っちゃダメよ。右投げだから。ケガしますよ。(塁に)帰るなら足で帰るとかね、右を使っちゃダメですよ。絶対ダメですよ。手首を痛めますから。基本は足から行く。滑らなくていいんですよ。タイムはそんなに変わらないから。(手から行くのは)見た目よくやってると思わせるためだけだから」
張本氏は今月8日の同番組で、3戦連続本塁打を放った大谷選手に「まぐれ」と言って大谷ファンの不評を買ったが、今回の手厳しさに対しても視聴者からは、
「張本氏、『アメリカのレベルは落ちたねぇ』もはや恒例行事 たまには大谷翔平選手をちゃんと認めてあげたらいいのにね」
「メジャーのレベルが落ちたねぇって 張本さんいい加減大谷の凄さを認めましょうよ」 「大谷牽制死 張本『喝だぁ!(嬉しそう)』」
といった声がツイッターで続々とあがっている。
ただ一方で
「張本さんはなんだかんだ大谷くんを心配してる。野球と日本が好きなちょっとひねくれたおっちゃん」
「好調な大谷くんには厳しいこと言いつつ怪我が心配」
と、実は心配しているのではないかと受け取る向きもある。
番組で張本氏は、上記の牽制死の場面のほかにも、連戦の大谷選手に「ケガが心配なのよ、ケガが。ただ5~6回しか投げさせてくれないから、長持ちするかもわからんね」と懸念を示した。
また、表情は崩さないながら「いくらアメリカのレベルが落ちてるといっても、大したもんですよ。先だって言ったでしょう、バッティングで右足を上げなくなった。一回止まるでしょう。なかなか止められないんですよ、あれね。まあ動いてるようで止められたバッターは良い成績残しますよ」と、打者・大谷選手への期待感を示すシーンが見られた。投手としても、
「ピッチングは今のアメリカのバッターじゃ打てないよ。ボールばっかり振ってストライクは見逃がすから、打てませんよ。しかも速いし、落ちる。しばらく続くと思いますよ」
と評価していた。ただし、最後まで「あっぱれ」は出さなかった。