次のM&Aへの布石
2018年3月には、取締役の年間報酬総額の上限を現在の4倍の20億円に引き上げた。世界的な半導体企業トップは数十億円の報酬は得ている。水準を引き上げて、外部から経営者を招き入れやすくする狙いで、次のM&Aへの布石だ。
半導体業界は、とりわけ自動運転分野で大きな成長が見込まれる。昨17年は米インテルが、自動運転向けの画像認識用半導体を手がけるイスラエルのモービルアイを約1兆7000億円で買収。米エヌビディアも世界の主要な自動車メーカーと提携し、研究開発を進める。
競合がひしめく中、ルネサスは勝ち抜いていけるのか。革新機構の手を離れつつある今が、正念場といえそうだ。