日本郵政グループが、正社員のうち約5000人の住居手当を2018年10月に廃止する一方、非正社員への年始勤務手当を支給することなどを決めた。
このことが正社員の待遇を下げる格差是正措置と報じられ、ネット上で疑問が相次いだが、日本郵政は、J-CASTニュースの取材に対し、是正措置ではなく必要に応じて見直しただけだと説明した。
待遇を下げる異例の是正と一部で指摘される
一部正社員の住居手当廃止などは、日本郵政が2018年3月15日に記者クラブで報道発表した。それが4月13日になって、新聞やテレビで次々に報じられた。
発表によると、正社員22万4000人(17年10月現在)のうち、「転居を伴う転勤」のない正社員で住居手当を受け取っている約5000人を対象に、10月から手当を廃止する。経過措置として、毎年10%ずつ減らしていき、10年後には支給をゼロにする段取りだ。借家は月最大2万7000円、持ち家は購入5年後まで月6200~7200円となっているが、10年後には最大で32万4000円の減収になる。
このほか、寒冷地手当なども削減されることになっている。
一方、非正社員20万2000人のうち19万2000人を対象に、正月三が日の勤務1日につき4000円の年始勤務手当を支給する。
これらの内容について、正社員の待遇を下げて格差是正を図ったと一部で報じられた。政府が掲げる「同一労働同一賃金」を目指す動きの中にあっても、このような形の是正措置は異例だとされた。
こうした報道を受けて、ニュースのコメント欄などでは、日本郵政への疑問や批判が相次いだ。