「『株式会社』日本相撲が何やろうが勝手なんです」―――。木村太郎氏は「直撃LIVEグッディ!」(フジテレビ系2018年4月13日放送)で、土俵での女人禁制について相撲記者、横野レイコ氏と激論を交わす中で、強烈な皮肉を放った。
「女人禁制」騒動で、木村氏は「公益財団法人」であるにもかかわらず協会は、「根底に女性蔑視がある」と断言した。
木村氏が相撲協会の「公益性」を問う
木村氏は、看護師の女性らが土俵から降りるよう指示されたことや、巡業先の女性市長が土俵上であいさつできなかったことと、ちびっこ相撲での女児禁止はすべて
「底辺にあるのは女性蔑視」
と語り、
「それも確かに伝統かも知れない。でも、そういう伝統を持っている団体を税制上で優遇するようなことにしていいのかどうか。国民の半分をないがしろにしている」
と、税制上で優遇を受ける公益財団法人である日本相撲協会が女性を排除していることが問題だと指摘し「差別ですよ」と断言した。
この発言をきっかけに、「公益財団法人」という看板を担いだ団体の女性排除を非難する木村氏と、相撲への長い取材歴から力士の「伝統」への考えを知る横野氏との間に議論が勃発した。
「株式会社日本相撲」なら「何やろうが勝手」
横野氏と相撲ジャーナリストの大見信昭氏は、木村氏の発言に
「女性蔑視ではないと思います」(横野)
「差別はしてませんよ。これは安全面」(大見)
と反論したものの、木村氏はそれに真っ向から対決。
「典型的な差別する人の言葉。アメリカで黒人差別をした時に『区別すりゃいいんでしょう』と言った。それで、こっちは黒人用、こっちは白人用、だから差別ではありませんとした。でもね、区別することと差別することは同じことなんですよ」
と、強く持論を主張した。
横野氏は歌舞伎や宝塚といった性別で分けられた伝統芸能を例に挙げたが、木村氏は
「株式会社日本相撲が何やろうが勝手なんです。公益法人日本相撲協会がそれをやるから問題。国が、これは公益性がありますよと認めたわけでしょう。公益性なんてありゃしない」
と語り、その後、女性が土俵に上がらないことは公益性に反しないのではないかという横野氏の問いかけに対し、
「女性を差別するのはまさに公益性に反する。公益というのは公の利益のため。公益というのは国民のために役に立たなきゃいけない。国民の半分に役に立たないものをどうして認めたのか」
と、「株式会社日本相撲」という言葉を使い、税制面で優遇される公益法人としての相撲協会の意義を強調した。議論は白熱したものの、「女性蔑視はない」とする横野、大見両氏と木村氏の意見は平行線をたどった。