複数の男性が周囲にいる状況で、上半身裸での写真撮影を強要された――。モデルの水原希子さん(27)のこんな訴えをめぐって、インターネット上で関連が疑われている広告がある。
資生堂が2013年元旦に展開した新聞広告だ。水原さんの投稿と撮影時期、内容が一致しているなどとして、ネット上に「これ資生堂かな?」といった疑いの声が相次いでいるのだ。
水原さん「モデルは物じゃない」
水原さんは18年4月9日、インスタグラムの「ストーリー」機能で、アラーキーこと写真家の荒木経惟氏(77)の言動を告発したモデルのKaoRiさんのブログに言及した。
2001年から16年まで荒木氏の「ミューズ」として撮影モデルを務めたKaoRiさんはブログで、外部の人間がいる前でヌードを強要されたことや、無報酬の仕事が多数あったことなどを明らかにしていた。
こうしたKaoRiさんの告発に対し、水原さんは「長い間どれ程苦しかったか、想像するだけでも心が痛みます。勇気をもってこの話をシェアして下さった事に感謝します」。その上で、
「この業界にいる若いモデル そして女性、男性にもこの記事を読んでほしい。モデルは物じゃない。女性は性の道具ではない」
とのメッセージを投稿した。
水原さんは続けて、自身の過去の経験も告白した。彼女が20代前半の頃、ある企業の広告撮影で「上半身裸になって手で胸を隠して撮影することがあった」として、
「その時だけ何故か沢山の男の人、多分上層部であろう20人くらいの社員の人達がスタジオに来て、裸だから撮影中は見られたくないと伝えたけれども、写真を確認しなくてはならないからと言う理由で、結局、仕事だからと拒否できないんだよと言う理由で、沢山の男性に裸を見られる環境の中で撮影を強いられた事があった」
と打ち明けたのだ。投稿の末尾では、「もちろん撮影中、緊張して固まってしまった」とも振り返っている。
資生堂は社内調査を行うも...
こうした水原さんの告白を受けて、ネット上では資生堂が13年元旦に展開した新聞広告に注目が集まっている。
「わたし、開花宣言。」と題した広告で、両胸を手で隠した上半身裸の水原さんが笑顔を浮かべる写真が大きく掲載されている。このとき、水原さんは22歳。撮影内容、時期ともに水原さんの告白と一致している。
資生堂公式サイトに13年5月に掲載された記事によれば、この水原さんの上半身ヌードを撮影したのは荒木経惟氏だ。広告のディレクションは、資生堂宣伝部の澁谷克彦氏が担当したという。
これらの情報から、ツイッターやネット掲示板では、「これ資生堂かな?」などと関連を疑う書き込みが続出。さらには、「資生堂の印象変わる...ショック」などと訴えるユーザーまで出ていた。
こうした疑問の声について、当の資生堂はどう答えるのか。J-CASTニュースは18年4月10日、資生堂グローバル広報部に取材を依頼。水原さんの告発に関し、資生堂の広告写真との関連を疑う声が出ていることについて、事実確認を求める質問状を送った。
資生堂からは13日、次のような回答があった。
「水原さんの所属事務所にも事実確認を依頼し、社内での調査も行いましたが、結果として、当社での広告撮影時に起きた出来事かどうかについては分かりませんでした」