「女人禁制」を巡る議論が注目を集める中、相撲協会が子供を対象にした巡業先での「ちびっこ相撲」への女子児童の参加について、「遠慮してほしい」などと要求したと東京新聞などが報じ、ネット上では大きな議論になっている。
従来は参加が認められていた中での今回の突然の「禁止」について、J-CASTニュースが相撲協会に取材したところ、担当者は理由について「安全面への配慮」であると強調した。
「ちびっこ相撲にまで首突っ込まなくても」
話題の発端となったのは2018年4月12日の東京新聞の記事で、8日に行われた大相撲春巡業の富士山静岡場所で、それまでは許可されていたちびっこ相撲への女子児童参加が協会の要請により参加が出来なくなったという。
京都舞鶴市での巡業中、あいさつ中に土俵上で倒れた市長の救命措置のためにかけよった女性の看護師らに対し、土俵から降りるように支持するアナウンスが流れた問題で、相撲の「女人禁制」に対しては世間からの風あたりが強くなっている。
そんな中での女子児童のちびっこ相撲への参加不可要請という報道には、ネットでも
「相撲協会なんなん ちびっこ相撲でも差別!?!?!?」
「は??何もちびっこ相撲にまで首突っ込まなくてもいいでしょ」
「対応も悪いけど間も悪すぎて笑ってしまった」
「ちびっこ相撲は単なるイベントみたいなもんだろ?それくらい良いじゃんか...」
などと、大きな反発が上がっている。
昨17年時点での各場所でのちびっこ相撲参加者募集の要項を比較すると、件の富士山静岡場所や京都場所のように女子児童も参加可能とする一方、男子児童限定となっている草津場所などもあり、全体として共通してはいない。
また、巡業以外の場でのちびっこ相撲でも、16年8月28日に毎日新聞が合宿中に開かれた高砂部屋の男女交じりのちびっこ相撲を報じている。
相撲協会は「安全面への配慮」強調
一方、日本相撲協会の広報部担当者は今回、J-CASTニュースの4月12日の取材に対し、
「安全面への配慮から、女子児童のちびっこ相撲への参加はご遠慮いただくことになります」
と、「参加への遠慮」は安全面への配慮からのものだと説明した。
力士が複数の子供を相手にするちびっこ相撲では、人数が多いことから思いがけないケガなども起きる可能性があるため、女子児童には参加を控えてもらうという。
また、男女問わず参加者を募集していた過去の巡業でのちびっこ相撲については、
「基本的には男子児童に向けてのもので、女子児童も参加できるものは例外的」
と説明し、男女の区別なく、安全面の問題もなく参加できる握手会をふれあいの場としてもらえれば、と話した。