JR東北線の車内で、仙台市の老人クラブ会員が、花見に向かう仲間のために座席に紙を置いて席取りをしていた問題で、タレントの小倉智昭氏(70)が「若い人が席を譲らないから、こういうことになっちゃうんじゃないの」と疑問を呈した。
この発言に、ツイッターでは「そういうことじゃないだろ」「席を譲るのはその人の善意。老人の権利じゃない」と異論が噴出している。
「マナーが悪すぎた」と反省
席取りをしていたのは、仙台市老人クラブ連合会に所属する最年少の60代男性だ。2018年4月12日放送の情報番組「とくダネ!」(フジテレビ系)では、この男性に取材したインタビューを放映した。
番組によると、男性は足腰の弱い80歳超の会員のために、「席をお譲り下さい」と書いた紙を16人分の座席に置いた。番組の取材に
「批判されたこと自体は私の配慮不足だった。罰則がないことを確認していたものだから、ちょっと甘えてしまった。反省している。マナーが悪すぎた」
とお詫び。同クラブ連合会の事務局長も「マナー違反、不適切な行為だと感じている。今後こういうことがないように指導した」と述べた。
番組ではその後、スタジオの小倉氏が「老人クラブの皆さんも反省して謝罪の気持ちが強いようですが」とコメント。その上で、
「そもそも、電車にお年寄りがいても、若い人が席を譲らないから、こういうことになっちゃうんじゃないの」
と語気を強めた。
若者が優先席で高齢者に座席を譲らないことが、今回の問題に結び付いている――。こうした小倉氏の見方に対し、ツイッターでは
「あくまで席を譲るのはその人の善意。決して老人の権利じゃない」
「とくダネの小倉さんが『そもそも若い人が席を譲らないのが悪い』って言ってたけどなぜ譲ることが前提なんだ?善意とか親切で席を譲るのは分かるんだけど...」
「小倉が『若い人が席譲らないからいけない』という発言。そこ??マナーの問題では??」
「そういうことじゃないだろ。そもそも譲るってのは譲る側の配慮なんだから強要するもんじゃないし、16名もいるならバスを手配するなりして、できないなら中止にすべきだろ」
との反論が続出。ただ一方では「小倉がいった譲らない若者が多いとかという意見も大いにある」「若い人が年配の方に席を譲らない世の中だから、こうなっちゃうのかなあ」と小倉氏の意見に理解を示す向きもあった。
古市「日本の高齢化もここまでいったのか」
小倉氏はその後、ゲストコメンテーターの古市憲寿氏に「僕は古市くんがどういう見解か非常に興味がある」と水を向けた。古市氏は「日本の高齢化もここまでいったのか、という気がする」と切り出し、
「だって60代が80代に気を使うわけですよね。60代が『若者』として80代のおじいちゃんに席を作ってあげようとしているわけで」
と説明した。
一方、小倉氏は「この前、ちょっとしたことがありました」として、電車内で優先席に座っていた時の体験談を披露した。
「電車で優先席に座ったんですよ。前に立った女性と目が合って、『テレビに出ている方ですよね』『はい』。『ここ優先席ですよ』と言われて席を譲ったんですよ。話の流れで年齢を言うことになって、その人が67で、私が70だった」
古市氏が「優先席で譲られるのはどういう気分ですか」と聞くと、小倉氏は「僕まだ譲られたことないもん」と返答。このニュースを締めくくる言葉として、「譲り合いの精神があれば、こういうことにもならなかったのでは」と述べていた。