「ハリルホジッチの戦略は、つまらなくても実戦的」
田嶋会長は今後の方針として、「日本らしいサッカーが確立されてきており、それを志向してほしい。しっかりボールを繋ぐということだ」と、ボール支配率を高めるポゼッションサッカーを思わせる発言をした。ハリルホジッチ氏が目指した堅守速攻のカウンターサッカーとは、真逆と言える。
この点、清水氏は取材に対し、ハリルホジッチ氏と田嶋会長との間に「齟齬はあったと思います」とする。「ハリルホジッチのやり方でW杯優勝できるのは、体格的に勝るフランスやドイツくらいでしょう。その方針で、日本がW杯優勝できるとは思いません」としつつも、
「W杯ベスト8が目標なら現実的なプランです。サッカーは守備優位のスポーツなので、守備から入るハリルホジッチの戦略は、つまらなくても実戦的」
と理解を示す。
逆に「田嶋会長の言う日本らしいサッカーとは、しっかりボールをつないで、しっかりカウンターを食らうサッカーです。現状では。サッカーは攻防一体なので、ボールを奪うことの確立なしに、ボールをつなぐ云々を話すことはできません。奪い返しやすいつなぎ方、つなぎやすい奪い方、あるいはカウンターしやすい奪い方、そういうアイデアが必要です」としたうえで
「田嶋会長の発言は、時代遅れ感がありました」
と批判的だ。
先行き不透明な日本代表について、清水氏は
「10年スパンで長期方針を立てて育成をすれば、A代表の姿は自ずと決まるはず。あとは相手の長所、弱点を踏まえて戦えばいいだけです。そういう強豪国がやっている『当たり前』から、今の日本サッカーは非常に遠い所にいます。それを明らかにした解任劇でした」
という見解を示していた。