バヒド・ハリルホジッチ監督の電撃解任のタイミングをめぐり、その2週間前に日本サッカー協会(JFA)では大きな動きがあった。田嶋幸三会長の再任だ。
サッカーライターの清水英斗氏は、「タイミングが良すぎるのは気がかり」と指摘した。J-CASTニュースが取材すると、JFAの体質について「中身はスカスカです」と厳しい言葉を投げかけた。
「タイミングが良すぎるのは気がかり」
田嶋会長は2018年4月9日の会見で、ハリルホジッチ監督の7日付での解任と、西野朗・技術委員長の新監督就任を発表。「(3月の)マリ戦とウクライナ戦の後、選手との信頼関係・コミュニケーションが多少薄れてきた。その中で今までのことを総合的に評価し、この結論に達した」としたが、ロシア・ワールドカップ(W杯)を2か月後に控えるタイミングで解任するにしては、説明が不十分という印象を与えた。
決断のきっかけになったとしたマリ戦は3月23日、ウクライナ戦は3月27日に行われた。一方、その間の3月24日、JFAの理事会で田嶋会長の再任が正式に承認されている。任期は2年。
会長再任直後の監督解任は偶然なのか。サッカーライターの清水英斗氏は4月10日付のネットメディア「レジェンドスタジアム」の記事の中でこう言及している。
「なぜ、サッカー協会で選挙が行われ、田嶋会長の再任が3月に決まった、その翌月なんだろう。もっと早くに解任していたら、新チームがうまくいかないとき、大批判が起きたとき、その決断の責任を田嶋会長が問われただろうか。それは選挙のリスクになっただろうか? 逆に今の解任ならば、ロシア大会が惨敗に終わっても、新監督を迎えて、1年半は任期の猶予がある。タイミングが良すぎるのは気がかりだ」
J-CASTニュースが11日、清水氏に改めてこの真意を取材したところ、「実際、会長選にそれほどの影響はないと思います。よほど世論が紛糾したら、わかりませんが、可能性は低いと思います」としながらも、
「ただ、それを田嶋会長が考慮した可能性はあります。慎重で立ち回りのうまい人だと、よく耳にするので」
と述べる。