国会は「西田劇場」の「勧善懲悪」が席捲 自民個性派議員らが次々に官僚「斬る」

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   西田劇場。そんな声も上がったのは、2018年4月9日の参院決算委員会の質疑だ。

   「国会の大砲」「西田無双」「銀狼」――そんなキャッチフレーズでおなじみの(上記、いずれも安倍晋三首相のツイートより)西田昌司参院議員。この日の出で立ちは明るいグレーのスーツに水色のクレリックシャツ、黄色のネクタイ、クリーム色のポケットチーフ。タイピンを高めの位置につけてネクタイを浮かせる、伊達な「貴乃花スタイル」である。

  • 9日の西田議員の質問。参院インターネット中継より
    9日の西田議員の質問。参院インターネット中継より
  • 9日の西田議員の質問。参院インターネット中継より

太田理財局長を「一喝」、首相にも「苦言」

   「NHKの報道っていうのは真実なんですか。財務大臣、お答えください」――書類を片手に西田氏が問うと、麻生太郎財務相に代わって回答に立った太田充理財局長、NHKがスクープした財務省から学校法人・森友学園への「口裏合わせ」問題を初めて認め、

「(口裏合わせを求めたことは)間違いなく誤った対応でございます。たいへん恥ずかしいことでございますし、たいへん申し訳ないことでございます。深くお詫びを申し上げます」

と深々頭を下げる。

「また驚いたこと言いましたなぁ」

   関西弁で応じつつ、ゆるりと立ち上がる西田氏、「バカか!本当に......。何考えてるんですか」と、太田氏を厳しく「一喝」する。

「国会ですよ、ここは。国権の最高機関が、国民の代表が聞いてるんだよ!」

   太田氏はますます恐縮した様子で、「たいへん、たいへん恥ずかしく、たいへん申し訳ない、委員(西田氏)に何を言われても仰る通り、申し訳ありませんとしか申し上げようがないことでございます」。

   「いや本当に呆れました。私もここまで、国家公務員のモラルが落ちてるのかと思うとね、ぞっとしますよ」――ネクタイを軽く整えながら、西田氏は安倍晋三首相に「総理がしっかりリーダーシップを持って」官僚を訓示・指導するよう求めるとともに、「奥さま(昭恵夫人)」に対しても、「身を律していくという姿勢をぜひ国民に示していただきたい」と「苦言」を呈する。応じる形で首相も、「しっかりと、膿を出し切ることが大切であろうと考えております」と、力強く宣言する――。

質問に立つ自民議員の共通点は

   文書改ざん発覚に端を発する一連の問題では、野党のみならず自民党からの質問がしばしば注目を集めている。3月19日の参院予算委で財務省の「おごり」を激しく糾弾した青山繁晴参院議員をはじめ、やはりこの日の予算委に登場した和田政宗参院議員、また麻生氏に「呼び捨てにされたい」と熱弁した義家弘介元文科副大臣、佐川氏喚問で、

「佐川さん、あるいは理財局に対し、安倍総理からの指示はありませんでしたね?」
「念のためにお伺いしますが、安倍(昭恵)総理夫人からの指示もありませんでしたね?」

などと念入りに問いかけた丸川珠代元環境相もそうだ。

   特に西田氏、青山氏、和田氏については、いずれも歯に衣着せぬ個性派議員として知られ、ネット上などに多くのファンがいる点、共通している。「悪玉」官僚を、その質問で「斬る」姿は、ちょっとした「劇場」の感がある。

   もっとも、特に政権に批判的な側からは、「茶番」などとの皮肉も上がる。和田氏の19日の質問では、「安倍政権をおとしめるために、意図的に変な答弁をしているのでは」といった発言が飛び出し、最終的に議事録削除の騒動となった。西田氏も3月15日の参院金融委員会で、

「この問題は、『佐川事件』の真相解明ということがまず第一」

と発言、当時の理財局長・佐川宣寿氏ひとりに責任を押しつけようとするものだ、と議論を呼んだ。なお、その後この「事件名」を踏襲する動きは見られない。

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