相撲の土俵上で救命活動をしていた女性に対し、行司が「土俵から降りて」と指示した問題が波紋を広げる中、過去に大相撲の聖地・両国国技館で行われたある催しの内容が再び注目を集めている。
イタリアの高級車メーカー・フェラーリの創業70周年を記念したイベントで、土俵をかたどったステージの上に車を展示していたのだ。インターネット上には、今回のアナウンス問題と絡めて、「車は良くて、女性はダメなんですか」との書き込みが相次いでいる。
「女性はダメなのにフェラーリはいいのか?」
話題のイベントは2017年10月12日、フェラーリ・ジャパンの主催で行われた。この日の国技館では、会場中央に土俵の形をしたステージを設営。その上に、フェラーリの70周年記念モデルを展示していた。
イベントの模様を伝えた複数の報道によれば、会場には相撲行司の34代木村庄之助氏も出席。土俵状のステージには、フェラーリ・ジャパン社長のリノ・デパリオ氏ら関係者が黒い革靴のまま上っていた。
こうしたイベントが、開催から半年が経って再び大きな注目を集めている。きっかけは、18年4月4日の京都府舞鶴市で行われた大相撲春巡業で、土俵の上で倒れた市長の救命にあたっていた女性に対し、行司が「土俵から降りてください」と指示した問題だ。
とっさの現場判断とはいえ、人命よりも「女人禁制」のしきたりを重視したとも捉えられる今回の対応は物議を醸した。日本相撲協会の八角理事長は4日に「不適切でした」と謝罪している。
こうした騒動が大きく取り沙汰されたことを受けて、土俵状のステージの上に車を展示した半年前のイベントに改めて違和感を覚えるネットユーザーが相次いだ。ツイッターやネット掲示板には、
「なんでこんなことが許されたのか理解できない」
「ダミーの土俵だからフェラーリのっけてもいいってこと?」
「女性はダメなのにフェラーリはいいのか?」
といった書き込みが寄せられている。