原口「(この戦い方で)チャンスはあるはず」
ところが、ハリルホジッチ監督に重用されてきた選手ほどシンパシーを抱いているような傾向もある印象だ。
DF吉田麻也(サウサンプトン)はハリルホジッチ体制でほぼ全試合にフル出場してきた。9日付の朝日新聞によると、解任の報を聞いて「まじっすか?」と仰天し、「(編注:ケガ前最後の招集となった)少なくとも11月はブラジルは強かったですけど、ベルギーとは良い戦いができたし。そんなにどん底という感じじゃ(ない)」と可能性を感じていたようだ。吉田の言う17年11月のベルギー戦(0-1)と、同8月のオーストラリア戦(2-0)はチームとして戦術がフィットしかけた試合だったと評価されている。
ハリルジャパン不動のセンターFW大迫勇也(ケルン)は、監督のめざすサッカーに同調するような発言をしている。1月7日放送の「日本サッカー新時代~2018年への旅~」(テレビ朝日系)で、「世界の強豪からゴールを奪うには?」という問いに「ショートカウンター」と回答。「自分たちでつないで、うまく相手を崩して点を取るのは想像できない」とボール支配へのこだわりは捨て、
「相手がボールをもつことが多いので、取った時にどういうアイデアがあるか、そこからどういうカウンターをしていくかが大事」
と断言した。
FW原口元気(デュッセルドルフ)は「サッカーダイジェスト」4月12日号のインタビューで、ハリルホジッチ監督の方針に共鳴する言葉を残している。
「よりリアリストで、実際、監督は相手の良さを消して勝つサッカーを追求しています。(この戦い方で)チャンスはあるはず。ヘルタでもデュッセルドルフでもそういうサッカーをしてきていて慣れている。(ハリルホジッチ監督の下で)代表戦もこなしているし、自分としては得意なスタイル」
原口はW杯最終予選で4戦連続ゴールを決めるなど、ハリルホジッチ体制で大迫とともに前線の屋台骨となった。同誌ではW杯の目標を史上初の「ベスト8」と明確に見定めていた。監督のサッカーなら行けるという意思だったのかもしれない。
ポゼッションかカウンターか。サッカーの戦略の根本にある考え方が二つに割れているようだ。ワールドカップまであと二か月。西野監督はどうやってまとめるのか。