大勢のプレイヤーが1つのフィールドを舞台に闘って勝者を決める「バトルロイヤル」形式のゲームが、近年人気を集めている。このジャンルの代表作が17年3月に発売された韓国の「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUND」(以下、PUBG)で、高い支持を受けている。
売り上げ本数が3000万本を超えるほどの人気を誇るPUBGだが、一方で、ほぼ同様のシステムを持った後発ゲームが登場し、市場を奪われる形になっている。中でも、登場直後から「酷似」指摘が上がっていたのが中国のスマートフォンゲーム「荒野行動」だ。PUBGは155ページに及ぶ訴状の中で「荒野行動」の著作権侵害を指摘し、アプリの配信停止などを求める訴訟を起こしたが、「荒野行動」側は「虚偽提訴」と真っ向から否定し、強気な反応を返している。
公称「2億ダウンロード」の大ヒット
PUBGは、PC版を中心にXbox One版でも展開しているバトルロイヤルゲームで、17年の発売以降、競技性の高さで本場韓国だけでなく日本や中国といったアジア圏でも人気を博している。日本版だと勝者に対し「勝った!勝った!夕飯はドン勝だ!!」というダジャレを交えた独特なメッセージが表示されることでも注目を集めた。
17年3月の先行版発売後、バトルロイヤルゲーム人気の火付け役となり、12月の正式版リリース以降も順調にプレイヤー層を拡大している。ゲームプラットフォーム「Steam」の統計サイト「SteamSpy」によると、18年4月時点での売り上げ本数は全世界で3000万本を超えているという大ヒットゲームだ。
このPUBG側から、著作権侵害を訴えられ、アプリの配信差し止めなどを求められているのが、スマートフォンアプリ「荒野行動」などを開発する中国の「NetEase」だ。
「荒野行動」はPUBGとは異なって基本利用無料のスマートフォンアプリで、ゲームシステムに加え、100人のプレイヤーが無人島で武器を集めながら生き残りを競うルールなどの類似点から、ネット上では「スマホ版PUBG」などとも呼ばれ、「パクリ」ではないかという指摘も上がっていた。一方で、基本無料、スマホでプレイできるという手軽さが話題を呼び、公称2億ダウンロードを突破している。
平昌五輪で銀メダルを獲得した宇野昌磨選手の弟の樹さんが、兄弟でプレイしていることをテレビで明かしたことでも話題になるなど、日本でも10代を中心に人気が拡大中だ。