「いろんな人のいろんな情報を得て、慎重にコメントする」
田嶋会長は西野監督を「慎重な方」だと繰り返した。元日本代表の福田正博氏も、9日放送の「Nスタ」(TBS系)で、「慎重」という表現を使っている。
「インタビューなんかで質問すると、『お前はどう思う』と逆に質問してきて、いろんな人のいろんな情報を得て、慎重にコメントする方。選手をよく見ている。そんなに言葉は多くないけど、信頼できる。国際経験もあるから今の状況では適任という感じ」
気になるのは選手選考だ。ハリルホジッチ監督は本田圭佑や岡崎慎司、香川真司ら、代表を長く支えてきた面々をここ半年、積極的に招集・起用していない。だが福田氏は、西野監督就任で変わると考えている。
「ハリルホジッチ監督であれば本田や岡崎には厳しいと思うが、西野監督は入れてくる可能性が高い。なぜなら、チームがこういう苦しいときは経験が重要であり、2人はW杯を2回経験している選手だから、必要な人材になってくる。力もある。戦術が違ったのでハリルホジッチ監督には冷遇されてきたが、戦術が変われば、まだまだ仕事ができる選手。入ってくる可能性は高い」
岡崎は史上3人目の代表通算50ゴールを記録し、本田、岡崎、香川の3人はハリルホジッチ体制下でトップタイのそれぞれ通算9ゴールをマークしているという実績もある。
西野監督は2016年3月に技術委員長に就任し、代表をサポートしてきた。かつて柏レイソルやガンバ大阪を率い、J1歴代通算最多の270勝をあげた実績のほか、1996年のアトランタ五輪では監督としてブラジルを破る「マイアミの奇跡」を呼び起こした勝負強さもある。
高圧的と言われたハリルホジッチ体制では選手が萎縮している印象もあった代表。時間はないが、西野監督の立て直しにより、直前までの危機的状況から大胆な戦術変更でベスト16進出を果たした10年南アフリカW杯の再現を期待する声は少なからずあがっている。
「もはや結果重視の守備偏重カウンターフットボールしか期待できない。南アフリカの時のようなものを期待するしかない!」
「リアリティを求めるのなら 南アフリカの時の岡田監督みたいにきっちり守って1点取るスタイルにするべきだろう」
「南アフリカ岡田氏の再現なるか?」
ただし、
「西野なんて長期でじっくりチーム作るタイプだからこの状況においては最悪の類の監督ではなかろうか」
「何かを変えたかったのかもな。でも遅すぎや。 時間がない」
「南アフリカの時はギャンブルに成功して逆境をはねのけたけど今回はさすがに無理そう」
と冷ややかな声も数多い。