アギーレなら、こうはならなかった?ハリル「コミュ不足」解任

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   「選手とのコミュニケーションや信頼関係が、多少薄れてきた」――サッカー日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督の解任発表会見で、日本サッカー協会の田嶋幸三会長は、こう指摘した。

   田嶋会長会見では、解任された前任のハビエル・アギーレ氏の名前も出てきた。ツイッターでは、もしアギーレ監督のままだったら、今頃チームはどうなっていただろうか、といったつぶやきも見られた。そのアギーレ氏は、解任後2年経ったインタビューで、日本代表の一部の選手から代表戦に招かれるなど、良好なコミュニケーションを続けていることをうかがわせるエピソードも語っていた。

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「八百長問題が無かったら、どこまで行けてたのか」

   2018年4月9日、田嶋会長はハリルホジッチ監督の解任を発表した。「前任のアギーレ監督の契約解除の後、非常に短い時間でチームを作り、そして見事にW杯予選を突破するということを実行してくれました」と、就任の経緯を振り返りつつ、予選突破の成果を評価。その上で、

「(3月後半にあった)マリ戦、そしてウクライナ戦、この試合の期間、後において選手とのコミュニケーションや信頼関係が、多少薄れてきたこと」

を指摘、さらには、これまでの様々な要因を総合的に判断して解任との結論に至ったと説明した。

   田嶋会長が触れた「前任のアギーレ監督」は、2014年8月に就任した。しかし、スペイン1部リーグ監督時代の八百長疑惑が告発されたことを受け、15年2月に解任された。約半年間の代表監督だった。

   ハリルホジッチ監督の解任劇を知り、アギーレ氏を思い出した人もいたようで、ツイッターには、


「アギーレを呼び戻さないと」
「アギーレの八百長問題が無かったら、どこまで行けてたのか気になる」

といった「つぶやき」も寄せられた。

選手から代表戦観戦にお誘いも

   アギーレ氏は、日本代表監督の解任後ほどなく、2015年6月にアラブ首長国連邦(UAE)のクラブチームの監督に就任し、17年春までチームを率いた。八百長疑惑については18年2月、審理が再開されることになったとする報道が出ている。

   今回、ハリルホジッチ監督は、選手とのコミュニケーションの問題が解任理由のひとつとして挙げられた。アギーレ氏はどうだったのか。スポーツ総合誌「Number」(ウェブ版)が17年8月30日に配信した、アギーレ氏へのインタビュー記事(執筆・豊福晋氏、雑誌では6月1日発売号に掲載)に、アギーレ氏と日本代表選手らのコミュニケーションの様子がうかがえるエピソードが紹介されている。

   記事タイトルは「アギーレ前監督が語るハリル体制。『W杯出場権獲得は当然だろうね』」。この中でアギーレ氏は、今回のW杯予選でも活躍したDF吉田麻也選手の名前を挙げ、吉田選手が、日本-UAE戦の前に連絡をくれて、「チケットを準備するからぜひ見に来てください、とまで言ってくれたんだ」と明かした。他の選手も何人かコンタクトを取ってくれたそうで、日本代表監督を務めた期間は半年強と短かったが、

「それにもかかわらず、良好な関係を保てているという事実は、ひとりの指導者として光栄なこと」

と語っていた。

    ハリルホジッチ監督の後任には、西野朗・技術委員長が決まっている。選手とのコミュニケーションをどう深めていくか、も一つの課題となりそうだ。

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