様々な分野で協業を検討する方針
もう一つはインド政府の電気自動車(EV)推進策だ。2030年に新車販売の30%をEVにする方針を示している。スズキが単独で対応するには荷が重く、17年11月にはトヨタからEVに関する技術支援を受けることで合意した。20年ごろにインド市場向けのEVを投入する計画だ。今回のOEM相互供給は、EVの技術支援と直接関係はないが、EVで円滑に支援を受けるためにOEM相互供給で関係を深めておきたいとの思惑もありそうだ。
一方、トヨタはインドにおいては「弱小メーカー」。もともと日本、北米など先進国向けに強く、新興国に特化した「安い小型車」作りは苦手。これまではインドで弱小でも、他地域かカバーしていたから問題はなかった。
だが米国や日本は頭打ち感が強まっているほか、中国も新車販売台数の伸び率は鈍化している。一方、人口13億人を抱える巨大市場インドの成長はこれからで、ここを攻略しない手はない。そこでトヨタはスズキが生産した小型車を品揃えに加え、トヨタブランドを浸透させることにした。弱小メーカーからの脱皮へ向けた足がかりにしたい考えだ。
両社は今後もインドだけにとどまらず、様々な分野で協業を検討する方針。どう具体化するのか、今後も注目が集まりそうだ。