延暦寺に求められる「ニーズ」と「理想像」
そんな冗談半分の書き込みで、不快な想いをしていないか。延暦寺の担当者に聞くと、
「面白いと思いますよ。ツイッターといえば『炎上』ですから、織田様による焼き討ちがネタになっていくのは、構いません。むしろ思っていた以上に面白い書き込みがあったので、驚いています」
さらに担当者は、延暦寺に求められる「ニーズ」と「理想像」をこう語る。
「皆さんは延暦寺に『情報を知りたい』『こんな体験をしたい』と思っている一方、どこか『神秘性』も感じている。私たちは、その両方に応えていく必要があります。ライトな延暦寺は求められていませんので、ツイッターで面白い書き込みをしようとは思いませんが、敷居を下げることで、奥行きの深さを知ってもらいたい」
ちなみに延暦寺にとって、織田信長は「仏敵」でも何でもない。1991年に建立した「元亀(げんき)の兵乱殉難者鎮魂塚」では毎年9月12日、焼き討ちの犠牲者と織田信長を合同で供養する法要が営まれている。