ピンポン――通話アプリ「LINE」に、不意にメッセージが届く。中身を見ると......なんだ、「スパム」か。
あなたも、そんな経験があるだろう。スパムの種は世に尽きない。ところが、である。
3月半ばから無差別にメッセージを
記者のLINEアカウントに、そのメッセージが届いたのは2018年4月1日のことだ。送信者名は「Gary」となっており、若い外国人とみられる女性の写真をプロフィール画像に使っている。
一見するとよくあるスパムなのだが、驚いたのはその内容だった。
「君が好きだ。さあセックスしよう!」
あまりにも「直球」すぎるメッセージに驚いて、ツイッターなどで調べてみると、同様のLINEは多くの人に届いているようだ。
「君が好きだ、さあセックスしようっていうLINE知らん人から来てて草」
「朝っぱらから知らない人に、『君が好きだ。さあセックスしよう!』と言われたんだが...」
「ここ3分で2件目の『君が好きだ。さあセックスしよう!』LINEスパムが来た」
男女問わず無差別に送信されているようで、調べたところLINEやカメラアプリ「SNOW」などで2017年秋ごろから、「被害」が報告されている。その後、3月半ばから再び右肩上がりにツイッターでの言及数が増えており、4月6日時点でも頻繁に届き続けているようだ。
「なんか清々しすぎて好感が持てる」「勢いすき」「見るたびに笑う」など、その語感を面白がる人も出ており、わざと真似をする人も出るなど、ちょっとしたネットミーム(流行)化しつつある。
記者がLINEに返信してみた
いったい、何が目的なのだろうか。記者は、メッセージを送ってきたアカウントに返信してみた。
「すみません、あなたは誰ですか?」
3日間待ってみたが、結局既読もつかず、無反応だった。
一方、上記のメッセージには、あるURLが添付されている。記者がアクセスしてみると、卑猥な内容のアンケートに答えさせられたのち、「ロマンス電車」と名乗る出会い系サイトに誘導された。ログインするとたちまち、複数の女性から「メッセージ」が届くが......。
サイトには「インターネット異性紹介事業届出済み受理番号」「電気通信事業届出書 届出番号」とともに、ある合同会社の名前が運営元として記されている。調べてみると、東京都港区を本社とする同名企業が存在することがわかったが、公式サイトなども確認できず、その実態は定かでない。
J-CASTニュース編集部では4日、同社に対して、問題のLINEスパムとの関連などを尋ねるメールを送ったものの、「24時間以内に担当者より折り返し連絡できるよう努めさせていただきます」という自動メールが届いたのみで、6日までに回答は得られなかった。
迷惑メッセージを防ぐには?
一方、LINEの広報担当者は5日、「ご指摘のアカウント含め、スパムがある旨は、把握しております」とした上で、
「このパターンのスパムは、LINE上の友達関係になる前に、一般のLINEユーザーに対して大量のスパム行為を行っています。LINEでは、これらのスパム行為に対して一定レベルの自動検知及びブロックしております」
と、現時点の対応について説明した。
こうしたスパムメッセージが届いた場合、ユーザーのアプリ上から「通報」することが可能で、その情報を元にLINEでは問題のある送信者の検知・ブロックを行っているという。
では、迷惑LINEが届き続ける場合はどうすればいいだろうか。担当者はこう解説する。
「ユーザーが取り得る対策としては、LINEの『設定』から『プライバシー管理』を選択の上、『メッセージ受信拒否』をONにすることで、このタイプのスパムのような友達以外からのメッセージ受信を防ぐことができます」