大相撲の「長年のしきたり」である土俵への「女人禁制」への風あたりが強くなっている。
地方巡業中、救命活動のため土俵に上がった女性へ「降りて」とアナウンスした問題を受け、ワイドショーのコメンテーターらから「廃止」論が相次いでいる。そのほか、土俵へ上がることを拒絶された現職女性市長が異議を唱え、地方巡業の実行委員会からも見直し論が出る展開となっている。
女性市長が土俵下であいさつ、「悔しい」
京都府舞鶴市の巡業であった、救命女性への「土俵から降りて」アナウンス問題を受けて「女人禁制」に注目が集まる中、2018年4月6日には、大相撲の巡業が兵庫県宝塚市で行われた。
女性市長である中川智子市長は、「土俵上であいさつしたい」と日本相撲協会側に申し入れたが、「伝統に配慮してほしい」として断られた。中川市長はこれを受け入れ、土俵下であいさつした。
女性という理由で、土俵下であいさつをさせられることについて、「悔しいです」「つらいです」と述べ、「女性が土俵にあがるのは、いけないことでしょうか」と会場の参加者らに呼び掛ける一幕も。伝統を守ることも大切だが、「変革する勇気も大事」と指摘した。各メディアが報じた。
女人禁制をめぐっては、テレビのワイドショーでも批判的な意見が相次いでいる。
6日放送の「ひるおび!」(TBS系)では、博報堂若者研究所リーダーの原田曜平氏が
「(女人禁制の根拠や理由にかんする)説がこんなにはっきりしないんだったら、いい機会と思って、やめちゃえば良いんじゃないですか」
と提言。東京相撲記者クラブ会友の大隅潔氏も
「これを機会にひとつ、(見直しを)検討してみるのも、あるんじゃないかと思いますね」
「今がチャンスかな」
「検討してみる機会」
と、相撲への女性人気の高さにも触れつつ、見直し論に言及した。