中日・松坂大輔は2018年4月5日、実に4209日ぶりに日本のマウンドで先発、巨人相手に健闘したものの2-3で敗戦投手となった。
5回3失点の内容で、ほぼクオリティスタート(6回以上、自責点3内)。ネットでは「全然いけるやん!安心したわ!」など「松坂復活」の声があがるなか、プロの評論家にはどう映ったのだろうか。
「もっとすばらしくなる」との指摘
松坂はナゴヤドームでの中日-巨人戦に先発。EXILEのATSUSHIが作ったという登場曲が「熱い炎をまだ終わらせない」と流れるなか、大歓声を浴びてマウンドに上がった。初球は左打者の外角をついた直球でストライク。しかし、毎回安打を浴び、ランナーを背負っての投球となった。
失点したのは初回と三回。初回は2安打と四球で1失点。しかし最後はマギー、岡本を連続三振とし、最少失点で切り抜けた。
三回は、1点を失った後、2死3塁で岡本を遊ゴロに仕留めたが、遊撃の悪送球でさらに1失点となる不運もあった。結局、この1点が決勝点となり、松坂は敗戦投手となった。
5回26人の打者に対して、96球を投げ、8安打、5奪三振、3四球。苦しい場面が続いたが、随所にベテランらしい巧みさもみせた。
5日夜の「NEWS ZERO」(日テレ系)で解説を務めた元中日投手の山本昌氏は「合格だとみました」と高評価。「この時期に球速140キロを超えてますし、7、8回くらいまで大丈夫」と太鼓判を押した。
「報道ステーション」(テレ朝系)では、元中日投手の川上憲伸氏が「五回をしっかり投げ評価できます」とこちらも前向き。また、ピンチの切り抜け方がうまいとも指摘。「要所でツーシームを内に投げた後、スライダーを外へ決めました。これがベストの投球」と語り、この日、最後の打者を外野フライに仕留めたチェンジアップの使い方で「もっとすばらしくなる」と話した。
「ストライクの入りが一番きつかった」
「サンケイスポーツ」の評論家、江本孟紀氏は6日付紙面で「ビミョーだった」とやや辛口。「ストライクゾーンに投げようとしてもはっきりとしたボールになる」と指摘。開き直って投げると実績があるからズバッと決まるという「微妙」な投球だったという。
「日刊スポーツ」の評論家、権藤博氏は「詰まらせた打球が少ないのが寂しい」と物足りなさを感じたという。松坂投手らしさが現れたのが四回。坂本への投球で、初球がど真ん中の直球。続くチェンジアップで投ゴロ。「もともと細かい制球で抑えるタイプではない」として、もっと腕が振れるようになればローテに入れると指摘した。
ラジオ『ニッポン放送ショウアップナイター 中日-巨人戦』で実況解説の山崎武司氏は、「期待感を持っての60点」とし、次のようなコメントを残した。
「次のチャンスはもらえると思いますけど、修正点がたくさんある内容だった」
「ストライクの入り、ここが一番きつかった。真っ直ぐにしろ変化球にしろ高い」
「率直に言うとオープン戦から(状態が)ずっと一緒。でもいいところもたくさんありましたし、要所を抑えて3点に抑えた」