京都府舞鶴市で行われた大相撲の春巡業で、土俵であいさつ中に倒れた多々見良三市長(67)を救命していた複数の女性に、日本相撲協会の行司が土俵から下りるよう場内アナウンスをした問題で、救命行動後に大量の塩がまかれていたことが報じられ、ツイッターで賛否を呼んでいる。
「女人禁制」の土俵に女性が足を踏み入れたからか、それとも病で人が倒れたからか。協会関係者が塩をまいた理由をめぐり、そんな異なる見方に分かれているのだ。
「大量の塩」がトレンド入り
大量の塩については、朝日新聞ウェブ版が2018年4月5日昼に「土俵に大量の塩まく 女性らが倒れた市長救命後 舞鶴」と題する記事を配信した。複数の観客に取材したところ、救命行動にあたった人らが土俵から下りた後、相撲協会関係者が大量に塩をまいていたことが分かったという。
大相撲の取組前に塩をまくことはよく知られるところだ。その理由は
「(1)邪気をはらって土俵を清める(2)力士がけがをしないように祈る」
などとされ、これは「清めの塩」と呼ばれる(中国新聞夕刊2012年11月8日付)。
朝日新聞の記事では「稽古中や本場所の取組中に力士がけがをしたり、体の一部を痛めたりしたようなときに塩をまくことがよくある」とした上で、日本相撲協会の広報担当者が同紙の取材に「確認はしていないが、女性が上がったからまいたのではないと思う」と答えた、とした。
この記事がネットで配信されると、ツイッターでは
「塩大量に撒いたのは女性という穢れが上がったからだろう」
「大量の塩って......。人を救った女性は穢れなの?」
「女性を穢れ扱いしてる相撲自体が穢れた競技に思えてめっちゃイメージ悪くなった」
といった声が続出。女性が「神聖」なものとされる土俵に上がったことで、協会関係者はこれを邪気とみなし清めようとした、と推測したようだ。
この記事は大きな注目を集め、ツイッターのトレンド欄にも一時「大量の塩」がランクインした。