ビートたけしさん(71)の「オフィス北野」独立騒動は、事務所の森昌行社長(65)と「たけし軍団」との主張が激しくぶつかり合う展開となり、社会学者の古市憲寿氏は「オフィス北野に未来がなさそう」と行く末を憂慮した。
たけしさんは事務所の売り上げの8割をたった1人で上げていた。屋台骨を欠いたうえ、「たけし軍団の方々は高齢化が進んでいる」と古市氏は指摘している。
軍団が声明、社長は週刊誌で反論
森社長は週刊新潮2018年4月5日発売号(12日号)で、たけしさん独立をめぐる「軍団の行動は看過できません」として、「たけし軍団一同」が1日に公表した声明文に反論した。
声明文では、森社長ら役員報酬があまりに高額だと指摘があるが、森社長は「私はやるべきことをやっているという誇りもあり、傲慢に思われてしまうかもしれませんが、金額は決して法外に高いとは思わない」と、たけしさんに説明したと主張。声明文で、マネジャーら従業員の給与も高額だとされている点は、「経営が上手く行き、黒字が出ている時はなるべく従業員への給与・賞与を多くし、それが従業員のモチベーションにもつながる」との考えによるもの。それは「1994年のたけしさんのバイク事故で得た大きな教訓は、この業界はいつ何が起こるか分からないというものでした」と、経験にもとづくものだという。
だが、軍団の1人、ダンカンさん(59)は5日放送の「とくダネ!」(フジテレビ系)で、「(役員報酬は)高いです。法外ですよ、本当にこれは」と主張しており、森社長と食い違いをみせた。また、森社長が新潮記事で、たけしさんのバイク事故を引き合いに出したことに、「ええ!? 殿(=たけしさん)がまた事故でも起こすんじゃないかということですか。そんな不吉なこと考えないでくださいよ、社長なんですから」と露骨に不快感を示した。
一方、井出らっきょさん(58)が「20代マネジャーの年収が1800万円」(3日放送の同番組)などと話していたことに、ダンカンさんは「20代で1800万とかとんでもない数字ではないです。それに関しては済みませんでした。らっきょが全く勘違い、暴走です」と事実を否定した。
多くの点で主張が対立する森社長と軍団だが、「とくダネ!」にスタジオコメンテーターとして出演した古市憲寿氏は、それよりも事務所の存続を懸念した。「別に待遇のいい芸能事務所があってもいいと思いますけど」と切り出し、
「このニュースで悲しいなと思うのは、ビートたけしさんがいなくなって、もうオフィス北野に未来がなさそうじゃないですか。それがすごく悲しくなっちゃって」
と見解を示した。