旧維新の党代表、民進党代表代行などを務めた、無所属の会・江田憲司衆院議員のツイートが、一部で物議を醸している。
NHKが2018年4月4日報じた、財務省による学校法人・森友学園への「口裏合わせ」について、その情報源に言及したのだ。
「大阪地検の女性特捜部長のリークがどんどん」
「財務省が森友学園側に口裏合わせ求めた疑い」――NHKは4日夜、「ニュース7」およびNHK NEWS WEBで、一連の森友問題をめぐる新情報を報道した。国会で野党の攻勢が続いていた2017年2月、財務省の職員が学園側に、ごみの撤去について「口裏合わせ」を求めたというものだ。
この「スクープ」は大きな反響を呼び、希望の党・玉木雄一郎代表や共産党・小池晃書記局長、さらには維新・足立康史衆院議員など、野党の論客たちもツイッターで相次いで反応した。公文書改ざんに続く「失態」に、今後追及が強まることは必至で、「財務省おわったな」(足立氏)の声も上がる。
江田氏もツイッターで4日夜、第一報の直後に反応した。ところがその内容は、
「#森友 大阪地検の女性特捜部長のリークがどんどん出てくる。NHK『何千台分のトラックでゴミを撤去したと言ってほしい』と本省理財局の職員が森友学園に要請と。ネタ元はメールらしい。今のところ、特捜部は『やる気』みたいだが、法務省と財務省の関係からすると、どこまで貫けるか!?頑張れ!」
と、NHK報道のネタ元に、しかも「大阪地検の女性特捜部長」という具体的な名前も挙げて触れたのだ。
森友事件の指揮を執っているとされるのは、「大阪地検の女性特捜部長」山本真千子氏だ。2日発売の「週刊ポスト」では、「異常なほどの執念と覚悟」で捜査に取り組む「官邸が日本で一番『怖い女』」と取り上げられたばかり。
「どちらに転んでも江田さんはエラいことに」
朝日新聞の「改ざん」スクープに端を発する一連の報道では、週刊誌などでその「ネタ元」「リーク元」がたびたび論じられ、大阪地検もしばしば名前が挙がる。今回のNHK報道でも、「関係者への取材でわかりました」の直後に「大阪地検特捜部はこうしたやり取りを把握」の一文がある。
しかし、江田氏がNHK外の人間であるとはいえ、「取材源の秘匿」が重視されるこの種のニュースで、現役政治家が、しかも個人にひもづく形でリーク元の「暴露」とも取れる発言をするのは異例だ。発言が単なる憶測なのか、それともなんらかの根拠があるかは不明だが、ツイッターなどでは不用意ではないか、との見方が強い。
「江田さんのリーク元の件。リーク元が本当ならば情報リークした大阪地検とそれを暴露した江田さんはエラいことになる。リーク元が間違いならば間違った情報流布した江田さんはエラいことになる。どちらに転んでも江田さんはエラいことになるんではないかと」
「ネタ元を明かすのは禁じ手でしょう。情報の扱い方を知らない方が政治家にならないで欲しいです。これを元に地検が動けなくなったらどう責任は取るのでしょうか?」
「マスコミの人たちは『ニュースソースの秘匿』ということに関して、小一時間くらい説教をかましていいと思うよ」
ツイートには5日16時までに560件以上のリプライ(返信)が寄せられているが、左右問わず厳しい声が大多数だ。