「ビニール傘」をめぐっても議論が
視聴者からは脚本の北川悦吏子さんが61年生まれということもあり、自分の記憶と混ざっているのでは?との声もある一方、当時は特撮作品などの再放送は頻繁に行われていたことも指摘されている。特に地方局ではかなり古い作品も繰り返し放送されており、「全然不自然ではない」「これは逆に『世相を反映』してるかも?」という反論も多い。
これに限らず「半分、青い。」は近い時代の過去を題材としているだけに、視聴者からはその「時代考証」にたびたび異論がさしはさまれている。とはいえ、視聴者の側にも、地域差や記憶違いなどがあるようだ。
たとえば2日の初回、高校生の鈴愛がビニール傘を使う場面に対しては、「鈴愛が高校生の80年代後半、ビニール傘は広まっていなかった!」という声が複数上がった。だが、1987年の新聞記事によれば、すでに年間洋傘消費量のうち、3分の2近くが「ビニール傘など安価な台湾製傘」だったといい(日経産業新聞、5月9日付)、88年時点で値段も500円前後、との記述がある(日経流通新聞、7月5日付)。
また、地元の人々が巨人戦に盛り上がるシーンにも、「岐阜県なのに中日ファンじゃないのはおかしい!」という声も出ているが、「中津川&恵那で育った父が、俺も巨人ファンだったし東濃は割と巨人ファンの人割といたんじゃないかなって言ってた」「テレビで観戦している当時の岐阜の人々は、中日じゃなくてV9時代の巨人を応援してたと聞いてる。うちの父親がそうだった」といった向きもある。
北川さんは本作の執筆に当たりツイッターで、71年生まれの人々に当時の文化についての思い出などを質問し、話題を呼んだ。今後も、昭和後期~平成のさまざまな流行が登場し、SNSが沸くことが予想される。