2018年3月31日に放映が始まった「カロリーメイト ゼリー」のテレビCMに、将棋の丸山忠久九段(47)が起用されたことが、ファンの間で「納得の一手」「ついにきたか」などと話題を呼んでいる。
丸山九段が、以前から対局中の栄養補給にカロリーメイトを愛用しているためだ。ファンや棋士の間では良く知られた話で、タイトル戦など大きな対局では控室には山盛りのカロリーメイトが用意される、といった逸話もあるほど。
やはり、丸山九段をテレビCMに起用した理由は、こうした「カロリーメイト愛」にあるのだろうか。J-CASTニュースが、販売元の大塚製薬に聞いた。
控室には「山盛りのカロリーメイト」!?
丸山九段は名人位を2期(2000、01年度)、棋王のタイトルを1期(02年度)獲得したベテラン棋士。優勢な局面であっても相手の反撃の芽を潰す厳しい指し回しから、「激辛流」の呼び名を持つ。
棋士の食事やおやつにも注目が集まる将棋界にあって、カロリーメイトの愛用者としても知られる丸山九段。定番のブロックタイプはもちろん、缶入りのドリンクタイプを対局中に飲むこともしばしばだ。
17年8月に行われた叡王戦九段予選Cブロックの対局中継(ニコニコ生放送)では、丸山九段のカロリーメイトに関する逸話が話題に。聞き手の本田小百合女流三段が、
「丸山先生がタイトル戦とかに出られたときとか、どれだけ食べても大丈夫なように関係者が控室に山盛りのカロリーメイトを用意しているんです」
との裏話を紹介。過去には、用意したカロリーメイト(ドリンク)の味の種類が足りず、当日に買い足す出来事もあったという。
また、2008年2月1日の産経新聞の報道によれば、対局の昼食で丸山九段がカロリーメイトのチョコレート味を2箱注文したところ、中原誠16世名人が「ぼくもチョコレート食べようかな」と反応。これに丸山九段は、
「カロリーメイトのチョコレート味なんですけど」
としっかり訂正を入れていたという。
そのほか、08年のA級順位戦最終局では、深夜にまで及んだ対局の最終盤で、丸山九段がカロリーメイトを食べている真っ最中に相手の藤井猛九段が投了するという珍事があり、「モグモグ投了」などとファンの間で話題となった。
大塚製薬「(起用の理由は)対局時にご愛用頂いていたことから」
このように、「カロリーメイト愛」あふれる丸山九段がテレビCMに出演したことは、将棋ファンの間で大きな話題に。ツイッターやネット掲示板には、
「おぉ、遂に丸山九段、カロリーメイトのCMに」
「将棋ファンならば納得の一手」
「一昔前から、みんな冗談で丸山先生をカロリーメイトCMに、とか言ってましたけど、いやはや時代は変わりましたね」
といった喜びの声が相次いで寄せられている。そのほか、月刊コミックフラッパー(KADOKAWA)で漫画「将棋めし」を連載中の松本渚さんも、18年3月31日のツイッターで、
「露出の少ない棋士として有名なあの丸山先生がカロリーメイトのCM出るって聞いて半信半疑だったんだけどマジやん!」
と興奮気味に反応していた。
大塚製薬宣伝部の担当者は4月4日、J-CASTニュースの取材に対し、丸山九段がカロリーメイトを愛用していることについて「もちろん存じ上げておりました」。その上で、
「今回のCMは、考え抜くためには栄養バランスが重要というメッセージを伝えるために、考える人の象徴として棋士の方にご出演頂くことになりました。その際に、対局時にカロリーメイトをご愛用頂いていたことから、丸山九段に出演をお願いいたしました」
と起用の理由を説明した。なお担当者によれば、大塚製薬では過去に丸山九段にカロリーメイトを差し入れしたこともあるという。
そのほかCMの撮影中には、丸山九段が場面に応じてドリンクタイプとブロックタイプを食べ分けていることを力説する場面もあったという。トップ棋士のこうした反応について担当者は、
「とてもカロリーメイトブランドを愛して頂いていることを感じ、大変嬉しく思いました」
と振り返っていた。