1973年創業のインド料理店「新宿ボンベイ」(東京都新宿区)が、排水設備の老朽化を理由に2018年4月30日をもって閉店することが、J-CASTニュースの取材でわかった。
同店を経営するエー・ピーカンパニー(東京都港区)の広報担当者は「他の場所へ移し、営業再開を目指す」と説明している。
「どうしてこんな良いお店を閉めてまで?」
「新宿ボンベイ」は、JR新宿駅の南口から徒歩3分の好立地にあるインド料理店だ。インド人シェフによる本格的なインドカレーなどで1973年の創業以来、多くのファンに親しまれてきた。
もともと居酒屋など直営レストランを店舗展開する新鮮組フードサービス(東京都調布市)が経営していたが、「塚田農場」を展開するエー・ピーカンパニーが2014年8月に同社を子会社化。新宿ボンベイもそれ以来、エー・ピーカンパニーの経営傘下に移っていた。
そんな同店が、4月30日をもって閉店することが、出入り口付近の張り紙「閉店のお知らせ」によって明らかになった。J-CASTニュース記者は4月2日、現地で張り紙の存在を確認した。
一方ツイッターでは、「新宿ボンベイは閉店いたします」と題する正体不明のアカウントが3月31日以来、注目を集めていた。同店の閉店が決定したと報告し、
「売上が落ちている等という理由ではありません 長年働いてきたスタッフは母体だった会社が無くなり、買収されてもなんとか残ってきたお店が閉店される事を悔しく思っています」
と悔しさをにじませる。「都内で5本の指に入る程古いインドカレーのお店ですが、まだまだこれから、半世紀は頑張れると思っていました」とした上で、
「閉店の理由は赤字だからではありません ボンベイを閉め、インドカレーとは無関係の和食レストランをやりたいのだそうです 何故? どうしてこんな良いお店を閉めてまで? 理解に苦しみます」
と訴えた。最後のツイートには、「新宿ボンベイ 現&旧スタッフ」との記載がみられた。
一連の投稿を受けて、ツイッターでは「絶対になくなることのないお店だと思っていたのに」「あんな歴史あるカレー店を閉めるなんてそんな馬鹿な」などと衝撃が広がっていた。
親会社「店のインテリアを保管する」
新宿ボンベイの「現&旧スタッフ」を自称するこのアカウントについて、エー・ピーカンパニーの広報担当者は4月2日のJ-CASTニュースの取材に「事実確認中です」とコメント。4日の取材には、
「内部の者にも確認しましたが、現状では誰がこのアカウントを使用しているのか分かっていません」
と話した。
同店を閉店する理由については、「排水設備が老朽化しているからです」と説明した。「現在の場所で営業を再開するのは難しい」とした上で、「他の場所へ移し、営業再開を目指します」と明かす。
「物件探しは、継続的に行っています。候補地が見つかり次第、今後のスケジュールを決定します。店のインテリアを保管しておくなどして、新しい店舗でも可能な限り雰囲気を再現します」
先述のツイッター投稿では「和食レストランをやりたいのだそうです」との記述もみられたが、同担当者は閉店後の跡地利用のプランについて
「排水に負担をかけない業態になります。具体的には決まっていませんが、油をあまり使わないものになるでしょう」
と述べていた。