ファンケル株好調の理由 訪日外国人需要に加え...

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   化粧品や健康食品の生産販売国内大手、ファンケルの株が2018年3月末から一段高を演じている。3月29日に昨年来高値を約1か月ぶりに更新し、年度末取引日の3月30日以降も続伸、4月2日に4000円の大台に乗せ、3日にも一時、4160円に乗せるなど、終値が7営業日連続上昇。3月23日に発表した中期経営計画も評価されており、円高傾向が続く中、訪日外国人客を取り込める有力内需株として投資家に物色されているようだ。

   ファンケル株は3月29日の取引時間中に前日終値比210円(5.7%)高の3925円まで上昇し、昨年来高値を更新。30日もさらに続伸し、年度明け後も勢いを増している。日経平均株価は3月最終週に4.1%上昇したが、同じ期間にファンケル株は11.1%上昇しており、日本株全体の伸びを大きく上回る上昇気流に乗っている。

  • ファンケル株絶好調のワケ(画像はイメージ)
    ファンケル株絶好調のワケ(画像はイメージ)
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中期経営計画を発表

   ファンケル株が投資家の買いを誘っている要因の1つは円高だ。外国為替市場の円相場は年初に1ドル=112円台だったが、米トランプ政権の強硬な通商政策などから世界に不安が広がり、一時は104円台に急伸。3月末にいくぶん不安は和らいだがそれでも105~106円台で、年初に比べれば6円も円高に傾いている。これでは日本株の主力である自動車など輸出関連株には投資家も手を出しづらいが、輸入材料・商品の価格が円ベースで下がる食品や小売りといった内需関連株には業績面から追い風が吹き、投資家の食指が動く。

   内需関連の中でも、化粧品や健康食品を販売するファンケルには、訪日外国人需要というさらなる後押しがある。2018年に入っても訪日外国人の勢いは衰えておらず、1~2月の総数は433万人と前年同期比15.7%増。このうち日本製品に目がない中国人は18.3%増の113万人に及んだ。訪日外国人の恩恵を受ける、ファンケルとほぼ同業種の資生堂や花王も業績、株価ともに好調で、特に資生堂株は3月29日に上場来高値を更新した。

   一方、ファンケルは3月23日に2020年度までの3年間の中期経営計画を発表した。海外戦略では既に進出している中国、香港、台湾、シンガポールに加え、アジア地域3~4か国に順次進出すると表明。20年度の売上高目標は17年度見込み(1075億円)比185億円増の1260億円、営業利益目標は49億円増の126億円とした。高級化粧品の拡充など国内施策にも各方面でテコ入れを図るその成長戦略は市場に好感され、株価上昇を支えたようだ。

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