学校法人加計学園(岡山市)が愛媛県内に新設した岡山理科大学獣医学部(同大今治キャンパス)の入学式があり、加計孝太郎理事長があいさつに立った。
加計理事長が安倍晋三首相の友人であることから、学部新設をめぐる政策決定の過程が不透明だとの指摘も出ていたが、無事、入学式にこぎつけた。加計理事長があいさつで「予想を上回る志願者数」に触れたことを受け、ワイドショーでは「勝った、と思ってるんじゃないですか」と、勝利宣言のように受け止めるコメンテーターもいた。
「入学した学生には責任はなく、頑張ってほしい」
入学式は2018年4月3日午後、今治市内にあるキャンパスで行われた。加計理事長は、
「学部の新設ではいろいろとご心配をかけたが、予想を上回る志願者が集まりました」
「長きに渡り取り組んで参りましたプロジェクトが評価され、新設がいかに強く望まれていたか、ということを如実に表している」
と、新設の成果を強調した。地元の南海放送の記事(ネット版、3日)によると、最終志願倍率は、獣医学科で16.45倍、獣医保健看護学科で1.53倍だった。
このあいさつの様子を、生中継ではなかったものの、ほぼリアルタイムで伝えたのは、「ゴゴスマ」(TBS系)。理事長のあいさつ内容などをうけ、DJで国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソン氏は、理事長の心理について、
「勝った、と思ってるんじゃないですか」
と推測した。
また、CBC(TBS系の中部日本放送)特別解説委員の石塚元章氏も、
「『どうだ、すごいだろ』と。『批判はされたが、どうですか』という思いもあらわれている」
と受け止めていた。
ほかの出演者らは、「入学した学生には責任はなく、頑張ってほしい」としながらも、政策決定の不透明さについては、入学式にこぎつけた事で解決したわけではない、と指摘していた。
同様の時間帯(14時前後から16時前まで)に東京圏で放送された他局の情報番組をみると、「ミヤネ屋」(日本テレビ系)、「直撃LIVE グッディ!」(フジテレビ系)では特集コーナーや中継はなかった。