大谷、華麗なデビューに一抹の不安も 田中・ダルも経験した「スプリット」議論

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   大リーグ初勝利を飾ったロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手(23)には日米で称賛と祝福が相次いだが、元大リーガーの佐々木主浩氏は投球内容に懸念を抱いた。

   指摘したのは球種の偏り。「スプリットの割合が多すぎる」というのだ。

  • 大谷翔平選手(2017年1月撮影)
    大谷翔平選手(2017年1月撮影)
  • 大谷翔平選手(2017年1月撮影)

「大谷のスプリットは傑出していた」

   大谷は2018年4月2日のオークランド・アスレチックス戦に先発し、6回3安打3失点6奪三振、92球で初勝利。2回に3失点したが、3回以降は被安打ゼロで抑えた。

   開幕前は1回1/3を7失点(3月16日のロッキーズ戦)、3回を6失点(3月9日の練習試合)など乱調だったが、本番では調整してきた。打者デビューの3月30日に続く投手デビューを華々しく飾り、ベーブ・ルース以来メジャー99年ぶりの投打「二刀流」は日米で大注目を集めた。

   だが、すでに懸念点をあげたのが、大リーグ通算129セーブの「大魔神」佐々木主浩氏。3日付の日刊スポーツで「本当におめでとう」と祝福しながら、

「やや気になったのが、肘に負担のかかるスプリットの割合が多すぎること。私のイメージでは、大谷といえば、真っすぐとスライダー。日本にいたころはここまでスプリットを投げていなかった気がする」

と指摘した。

   大谷のデビュー戦92球の内訳をみると、ストレート40球(43.5%)に続いたのは、スプリットの23球(25%)で、スライダーの26球(28.3%)とほぼ同じだった。本人も試合前、「スプリットの状態がポイントになる」(1日付日刊スポーツ)と語っており、奪三振6つのうち5つはスプリットで仕留めた。

   大リーグ公式サイト「MLB.com」も試合後、「大谷のスプリットは傑出していた」「ただ強いだけでなく、見事だった」と称賛。「空振り」を10回奪ったという数字にも注目している。

「肘に負担が掛かるだろうと思ってみてた」

   佐々木氏が引っ掛かったのは、一般的に「決め球」として使うスプリットを「初球」や「カウントを整える球」としても多用していたことだった。「偏った配球が目立った。あれを続けると肘に負担がかかりすぎる」と故障を心配した。

   大谷の球種の偏りについてはツイッター上でも、

「肘に負担が掛かるだろうと思ってみてた。ホントはチェンジアップをマスターした方が空振りは取れるような気がするんだけどなぁ」
「大リーグ行った日本人投手はスプリットの投げすぎで肘を壊す。その裏には日本では通用したストレートが通用しない、ってのがある」

といった投稿がいくつかみられる。

   スプリットは、かねてから「肘への負担が大きい」と言われてきた。ニューヨーク・ヤンキースの田中将大投手が米1年目の2014年に右肘を故障した際も原因のひとつではないかと言われた。14年7月12日付の産経新聞(ウェブ版)では、大リーグ評論家の福島良一氏が「田中将の決め球であるスプリットは肘への負担が大きく、過去にはスプリットを禁止する大リーグ球団もあった」と指摘している。

   その後の15年3月、シカゴ・カブスのダルビッシュ有投手(当時テキサス・レンジャーズ)が肘を故障してトミー・ジョン手術(肘の側副靱帯再建手術)を受けた際も、やはり槍玉にあがった。自身も同手術を受けた元投手の村田兆治氏は、週刊ポスト15年3月27日号で「メジャーでは打者が強振してくるので、ダルや田中(将大)はスプリットなど縦の変化球をより多く使うようになった。縦の変化球を使うと、より肘に負担がかかる。私は故障の原因の1つはここにあるのではないかと見ています」という見解を示していた。

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