「肘に負担が掛かるだろうと思ってみてた」
佐々木氏が引っ掛かったのは、一般的に「決め球」として使うスプリットを「初球」や「カウントを整える球」としても多用していたことだった。「偏った配球が目立った。あれを続けると肘に負担がかかりすぎる」と故障を心配した。
大谷の球種の偏りについてはツイッター上でも、
「肘に負担が掛かるだろうと思ってみてた。ホントはチェンジアップをマスターした方が空振りは取れるような気がするんだけどなぁ」
「大リーグ行った日本人投手はスプリットの投げすぎで肘を壊す。その裏には日本では通用したストレートが通用しない、ってのがある」
といった投稿がいくつかみられる。
スプリットは、かねてから「肘への負担が大きい」と言われてきた。ニューヨーク・ヤンキースの田中将大投手が米1年目の2014年に右肘を故障した際も原因のひとつではないかと言われた。14年7月12日付の産経新聞(ウェブ版)では、大リーグ評論家の福島良一氏が「田中将の決め球であるスプリットは肘への負担が大きく、過去にはスプリットを禁止する大リーグ球団もあった」と指摘している。
その後の15年3月、シカゴ・カブスのダルビッシュ有投手(当時テキサス・レンジャーズ)が肘を故障してトミー・ジョン手術(肘の側副靱帯再建手術)を受けた際も、やはり槍玉にあがった。自身も同手術を受けた元投手の村田兆治氏は、週刊ポスト15年3月27日号で「メジャーでは打者が強振してくるので、ダルや田中(将大)はスプリットなど縦の変化球をより多く使うようになった。縦の変化球を使うと、より肘に負担がかかる。私は故障の原因の1つはここにあるのではないかと見ています」という見解を示していた。