新年度が始まった2018年4月2日、多くの企業で入社式が開かれた。東京・羽田空港で行われた日本航空(JAL)グループの入社式には、1639人の新入社員が出席した。JALは4月1日に社長が交代したばかりで、赤坂祐二社長にとっては入社式の訓示が「初仕事」。
赤坂氏は、自身がJALに入社する2年前に起きた日航ジャンボ機事故(1985年)に言及。「すべての業務は、どこかで必ず安全運航につながっていく」などと訴えた。
事故の2年後に技術系社員として入社
JALの社長が交代するのは12年2月以来6年ぶり。赤坂氏は1987年に技術系社員として入社し、主に整備部門と安全推進部門でキャリアを積んだ。日航ジャンボ機事故は、1985年8月12日、JALのボーイング747型機が群馬県上野村の通称「御巣鷹の尾根」に墜落し、乗員乗客524人中520人が死亡した事故。単独機による事故としては航空史上最多の犠牲者を出したことで知られている。赤坂氏は入社式の訓示で、
「私が日本航空に入社した最大の動機は、あのような悲惨な事故を二度と起こさないよう自分の力を尽くしたいと考えたことにあり、その思いは今も全く変わらない」
と31年前の自身の入社式を振り返り、「安全」という言葉を繰り返した。
「安全運航こそがJALグループの存立基盤であり、社会的責務、最大の使命であります。皆さんはこれから様々な職務につくことになる。ただ、どのような職務にあっても、すべての業務はどこかで必ず安全運航につながっていく。安全は全員で守っていくものであるということを絶対に忘れないでください」