経済産業省と東京証券取引所は2018年3月22日、社内で女性が活躍する優れた上場企業を「なでしこ銘柄」として48社選定した。12年度にスタートし、6年目となる今回の17年度は「表面的な対応に終始せず、経営成果につながる女性活躍推進の取り組みができているかどうか、取り組みの『質』に注目して評価・選定した」という。
「女性の活躍」に取り組む上場企業は「中長期の企業価値向上」に結びつくため、これを重視する投資家に優良銘柄として紹介することを目指している。企業への投資を通じ、各社の先進的な取り組みを後押しすることも狙っている。東京証券取引所の全上場企業約3500社の中から、女性の活躍推進に関するスコアリングの基準に従って評価を行い、さらに財務指標による加点を行ったうえで、27業種ごとに1~4社の計48社を「なでしこ銘柄」に選定した。
6年連続で選定されたのは2社
調査に回答した全企業と「なでしこ銘柄」に選ばれた企業との比較では、「新規採用の女性比率」について、選定企業の水準が全回答企業の水準を上回っている。「選定企業、全回答企業ともに、新規採用の女性比率が上昇しており、全体の傾向として、女性の採用意識が年々高まっている」という。また、「年次有給休暇取得率」についても、選定企業が全回答企業の水準を大きく上回り、「なでしこ銘柄」の企業では、働き方改革も進んでいることがうかがえた。
「男性育児休業取得率」は、全回答企業が13.9%だったのに対して、選定企業は36.0%と、非常に高い取得率だった。「選定企業では積極的な推進策が実施されており、制度を利用しやすい風土であることがわかった」という。
今回初めて「なでしこ銘柄」に選定されたのはキリンホールディングス、味の素、帝人、王子ホールディングス、日立金属、古河電気工業、オムロン、セイコーエプソン、丸井グループ、イオン、千葉銀行、SOMPOホールディングス、アフラック・インコーポレーテッド、メンバーズだった。6年連続で選ばれたのは、東京急行電鉄、KDDIの2社だった。なでしこ銘柄48社は経産省のサイトで確認できる。