ヘルプマーク「転売」後絶たぬ事情 「取りに行けない」難病当事者がフリマアプリに...

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   義足や人工関節を使用している人や、内部障害や難病を抱えている人、妊娠初期の人が、周囲に支援の必要性を知らせるための「ヘルプマーク」。東京都が2012年に作成して以来、導入する都道府県が増えつつある。

   そんなヘルプマークをめぐり、フリマアプリやインターネットオークションで横行するマークの売買に当事者は頭を抱えている。「必要なのに(マークを)取りに行けない」利用者がいる。背景にあるのは、そんな現実だ。

  • ヘルプマークが必要なのに…
    ヘルプマークが必要なのに…
  • ヘルプマークが必要なのに…

「地下鉄の階段を下りられない」

「困りましたね...フリマアプリ内での売買が後を絶ちません...この行為は、皆の税金で作り必要な方に無料配布している物で 儲けようと商売しているんですよ...ヘルプマークを買わないでください」

   ツイッターでこんな呼びかけをしたのは、ヘルプマークの普及啓発活動に携わる全国ネットワーク「全国ヘルプマーク普及ネットワーク」が運営するアカウントだ。2018年3月15日に投稿して以来、同27日現在までに「リツイート」3万5000件、「いいね」1万5000件の反響を呼んでいる。

   同ネットワークを創設した都内在住の渋谷みち代さん(55)は、自身も重度の難病をもっており、人工呼吸器で在宅治療を受けている。J-CASTニュースの取材に「全国の難病当事者の皆さんはとてもヘルプマークを必要としています。現在、我々難病当事者団体などの活動により全国へ広がっております」と明かす。

   ヘルプマークは、東京都が2012年に作成したものだ。18年3月12日時点で、北海道、東京、大阪、広島など19の都道府県で導入済み。周囲にヘルプマークを身につけた人がいる場合、主に(1)電車やバスで座席を譲る(2)駅や商業施設などで声をかけるなど配慮する(3)災害発生時に安全な避難を支援する――の3つを促している。

   都内では都営地下鉄各駅の駅務室や、都営バスの各営業所、都立病院などでヘルプマークを受け取れる。だが、渋谷さんは「身体の不自由な障害者や、パニック発作、さまざまな難病を抱える当事者は、そもそも地下鉄の階段を下りられず、たどり着けない」と説明する。配布場所まで取りに行けず、手に入れられない。つまり「必要なのに取りに行けない」当事者がいるという。

   そんな時、フリマアプリやネットオークションなどのウェブツールが皮肉にも助け舟となるのだ。

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