市販のマスクに一手間加えるだけで、「99%花粉をカット」――。環境省の「花粉症環境保健マニュアル」に紹介されている花粉の予防法が、インターネット上で話題を呼んでいる。
その予防法とは、ガーゼと化粧用コットンで作った「インナーマスク」を、市販のマスクの内側に装着すること。上記の資料によれば、市販のどんなタイプのマスクで実験しても、99%以上の花粉除去率を示したという。
ガーゼと化粧用コットンだけ
インナーマスクが注目を集めたきっかけは、あるツイッターユーザーが2018年3月28日、「みんなに知ってもらいたい」情報があるとして、
「通常のマスクに化粧用コットンを追加するだけで花粉ブロック率がほぼ100%になるそう」
と紹介したこと。ツイートには、環境省の資料に掲載されたインナーマスクの製作方法と、その資料へのURLも掲載されていた。
この投稿には3万回以上のリツイート、3万5000件以上の「いいね」が集まるなどネット上で大きな話題に(30日17時時点)。リプライ(返信)欄には、「やって見る価値はあるね」「早速やってみます!」といった反響が寄せられている。
作り方は簡単で、用意するのはガーゼと化粧用コットンだけ。
まず、化粧用のコットンを丸めて、縦長に切ったガーゼで包み「インナーマスク」を製作し、それを鼻の下に置く。その上で、縦横10センチ程に切ったガーゼを4つ折りにしたものを、市販のマスクに当てて装着する。息苦しい場合は、インナーマスクのコットンを半分にしても良いという。
実際、記者が市販のインナーマスクを作ってみると、ガーゼを切る時間を含めても1分とかからずに完成した。試しに着用してみたが、思ったよりも息苦しさはない。使用するコットンの素材によっても変わりそうだが、日常生活の実用には十分な着け心地だと感じた。
「どんなタイプのマスクでも99%以上の花粉除去率」
先のツイートの投稿者が紹介した環境省の資料「花粉症環境保健マニュアル」(2014年1月改訂版)では、インナーマスクで「さらに鼻に入る花粉が減少することが分かっています」と指摘。その上で、インナーマスク着用時の花粉の除去率を調べたとして、
「市販のどんなタイプのマスクでも99%以上の花粉除去率を示した」
としている。
また、同じ資料には不繊布マスクだけの場合と、インナーマスクを着用した場合の花粉除去率の差を調べたグラフも掲載。それによると、不繊布マスクだけでは、その除去率は最大でも約85%で、実験開始から1時間20分後には70%程度まで落ち込んだ。一方、インナーマスクを着用した場合は、2時間の間ずっと90%後半の除去率が持続していた。
資料を発行した環境省環境安全課の担当者は、18年3月30日のJ-CASTニュースの取材に対し、上記の実験は「花粉症の科学」(共著)で知られる奈良県立医大元助手の井出武氏が行ったものだと説明。その上で、インナーマスク使用時の注意点について、
「やはり衛生面の問題があるので、定期的に交換することをおすすめします」
と話していた。