輸入食材の調達コスト低下
値上げは牛丼並盛を291円(税込み、以下同)から350円に引き上げた2015年4月以来、約2年半ぶり。すき家は今回の値上げの理由を「米国産牛肉の牛丼用部位の価格が前年同期比で42%上昇し、米の価格は前年同期比で9%上昇、パート・アルバイトの募集時平均時給は前年同期比で2.2%上昇している」と訴え、理解を求めた。ただ、客足が遠のく影響を考慮し、牛丼並盛の価格は350円で据え置き、大盛りを10円値上げし480円、特盛を50円値上げし630円とし、セットメニューを最大40円値上げするという形をとった。
この戦略が奏功し、すき家の既存店売上高(前年同月比)は17年12月が5.5%増、18年1月が7.5%増、2月4.9%増となった。店舗の賑わいによって18年のゼンショーHDの業績は増収増益を見込むこととなった。さらに、外国為替市場の円高・ドル安によって輸入食材の調達コスト低下で採算改善をも期待する投資家の買いにより、株価が上昇したというわけだ。
この間、事業の構造や環境が似ている吉野家HDや松屋フーズも株価が上昇した。全体として日本株に勢いはないが、投資家の物色意欲は衰えていないようだ。