森友学園の財務省決裁文書改ざん問題で2018年3月27日、証人喚問に立った佐川宣寿・元財務省理財局長の「うそ」を見抜いたと、東京地検特捜部元検事の若狭勝氏が胸を張った。
佐川氏は「刑事訴追を受ける可能性がございますので、答弁を差し控えさせていただきたい」を繰り返し、ゼロ回答との見方が強いが、若狭氏は「佐川さんのしっぽが見えた」と断言――その根拠は35年間におよぶ「嘘反応」研究だという。
官邸との通話記録がカギ?
28日放送の情報番組「とくダネ!」(フジテレビ系)に出演した若狭氏。番組では「答弁&表情にみる佐川氏の心理」と銘打ち、佐川氏の答弁を分析した。
若狭氏が注目したのは、自由党の森ゆうこ参院議員との質疑。今井尚哉首相秘書官とのやり取りがあったかを聞かれた佐川氏は、以下の3回に分けて答えた。
1回目「官邸秘書官はおそらく私どもの課長クラスと(答弁の)調整をしていた」
2回目「私の国会答弁に関して私が今井秘書官と話したことはございません」
3回目「森友問題について話をしたことはございません」
若狭氏は、この答弁に「嘘反応」が典型的に出ていると断言。
「私はこの35年間、嘘の見抜き方の研究をしているんです」
として、次のように分析した。
「つまり、森裕子議員が聞いて最初の質問に対してはぐらかすんです。はぐらかし方は一般論を述べる。これは嘘反応の典型なんです。2回目に聞かれて少し小出しにする。3回目であいまいなことが言えないから思い切って言ってしまう」
以上を踏まえ、佐川氏と今井秘書官が電話等で接触していた可能性を指摘し、今後は通話記録がカギになると結論づけた。
最後に、若狭氏は
「(証人喚問は)ほとんど得にもならなかったですが、唯一ここは特捜部も本当に目をつけていて佐川さんのしっぽが見えたと思っても不思議じゃ無いところ」
と元検事としての捜査観も披露した。