「貸切り予約の25名まだ来ない。死にたい」「人の上に立つ先生がこれは酷いよ」――。埼玉県越谷市にある飲食店の店主が2018年3月26日夜、こんな悲痛な訴えをツイッターに投稿した。
店主の投稿によれば、貸し切りで店を予約していた小学校の教師に、宴会を「ドタキャン」されたというのだ。その一方で、学校側はJ-CASTニュースの取材に対し、そもそも店を予約していた認識はなかったと説明する。いったい、何があったのか。
「先生、これからこれ全部捨てます」
騒動の発端は、越谷市のワインバーの店主が26日20時頃に投稿したツイートにある。19時から店を貸し切りで予約していた25人の客が1人も来ていないとして、「死にたい。電話切ってて繋がらない」と呟いたのだ。
さらに店主は、「ドタキャン絶対許さない」として、貸し切り予約をしていたのは柳之宮小学校(埼玉県八潮市)の教師だったと明らかに。サラダやフルーツなど大量の前菜料理が並ぶ厨房の写真をアップし、
「先生、これからこれ全部捨てます。 あなた方が軽率な予約をした結果がこれです。人の上に立つ先生がこれは酷いよ」
と訴えた。続くツイートでは、「急激に具合が悪くなって、もう立っていられない」とも報告していた。
こうした投稿はたちまち拡散し、ネット上には柳之宮小学校の教師を批判する投稿が相次ぐ騒ぎに。ツイッターなどには、
「人として最低。こんな教師に教わる事なんてあるのか?」
「お店の人のこと考えるとほんとまともな人間の仕打ちじゃない」
「道徳を教える側がしっかりしていないのには失望しました」
などの書き込みが数多く寄せられた。
さらに、同校のWikipediaページが一時書き換えられたり、Googleマップの「口コミ」欄にも批判的な投稿が寄せられたりするなど、学校側への批判は加速。いわゆる、炎上騒ぎとなっている。
店主との話し合いはすでに済み、直接謝罪も予定
ワインバー店主に名指しで批判された柳之宮小学校の男性教頭は27日昼、J-CASTニュースの取材に対し、
「お店との連絡にミスというか、行き違いがありました。こちらとしては、日程の確認をしただけで、正式に予約を入れたつもりはありませんでした。ですが、お店の方では、私どもが予約をしたという認識だったようです」
と話す。そのため、同校の教師らは26日夜、件のワインバーではなく別の飲食店で年度末の納会を開いていたという。
その上で教頭は、「いずれにしろ、結果としてお店にご迷惑をおかけしたのは事実」だとして、貸し切り分の料金全額を店に支払う予定だと説明。25人分の予約で、総額は約10万円。
すでに、店主との話し合いは済んでいるという。ただ教頭は、27日中にも店を訪問する予定だとして、「直接、店主に謝罪をさせて頂くつもりです」としていた。
なお、当の店主は学校側の「ドタキャン」を訴えた一連の投稿をすでに削除している。その上で、27日昼のツイートでは、
「色々波紋を呼んでいますが、すでに当事者間の話し合いが進んでいるので、今後この件の話題には一切触れません」
としていた。