次期中西経団連での議論に注目
榊原会長のこの説明では21年入社のみ、東京五輪に配慮して日程を見直すとも受け取れる。日経新聞が報じた4案は単年度の見直しではなく、恒久的な見直しと受け取れるが、榊原会長は「白紙」としたまま多くを語らない。実際に21年春入社の就活日程を決めるのは、5月いっぱいで退任する榊原会長ではなく、新たに会長に就任する中西宏明・日立製作所会長だからだ。
就活日程の見直しは政府と経団連が約450の経済団体や業界団体に新たな指針を示すことになるため、事前に大学などとの調整が必要になる。かつて経団連は2016年春入社の就活をめぐり、会社説明会の解禁を前年の12月から3月、採用選考を4月から8月に変更。17年春入社では採用選考を6月に前倒しするなど、相次いで日程を変更し、混乱を招いた。指針を見直すとすれば今秋までに経団連が結論を出さねばならず、次期中西経団連の議論がどう進むか注目される。