森友学園をめぐる問題で、野党議員3人が2018年3月23日、前理事長の籠池泰典被告(65)=詐欺罪などで起訴=に大阪拘置所で約45分間にわたって接見した。籠池氏は改ざん前の財務省の決裁文書にあった安倍昭恵夫人をめぐる記述について「確かにそういう風におっしゃっていた。それは間違いない」などと話したといい、接見した議員は、昭恵夫人が「取引のことを知っていた」という印象を持ったと説明。
籠池氏が事実を語っているかどうかを含めて、野党側は昭恵夫人から直接話を聞くべく、国会招致に向けて攻勢を強める考えだ。
改ざんの経緯は「全く知らない。逆にびっくりした」
この日は、今井雅人(希望)、川内博史(立憲)、宮本岳志(共産)の3衆院議員が約45分間にわたって接見。17年7月の逮捕以来、籠池氏が弁護士以外と接見するのは初めてだ。籠池被告は、財務省の決裁文書改ざん問題は拘置所内のラジオなどで把握していたというが、その経緯については「全く知らない。逆にびっくりした」という。
ただ、改ざん前の文書にあった、
「『本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは「いい土地ですから、前に進めてください。」とのお言葉をいただいた。』との発言あり(森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んで写っている写真を提示)。」
といった昭恵夫人をめぐる記述については、籠池氏は
「確かにそういう風におっしゃっていた。それは間違いない」
と述べたという。今井氏によると、籠池氏は
「(国有地)貸し付けの時を含めて、逐一安倍昭恵さんには、毎回ではないが、何回かまとめて『こういう状況になっています』と報告していた」
といい、昭恵夫人の国会招致で事態を解明したい考えだ。
「やはり安倍昭恵さんは、かなりこの取引のことはご存じだったのではないかという印象を受けたので、籠池さんがおっしゃっていることがどれだけ事実か我々も分からないわけで、それも含めて安倍昭恵夫人に話を聞かないといけない」(今井氏)
記者団に明らかにしていない「隠し球」とも言える籠池氏とのやり取りについては、「そりゃ、あります」(今井氏)とも話した。3月27日に予定されている前理財局長の佐川宣寿氏の証人喚問の場で、こういった「隠し球」が飛び出すかも注目されそうだ。